「5世帯に1世帯が受信料未払い!」NHK2022年度決算で判明、人々の「NHK離れ」が加速...受信料を払っているからこそ言いたい「NHKのここがヘン」

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「5世帯に1世帯が、受信料を払っていない!」

   NHKは2023年6月27日、2022年度決算を発表したが、受信料支払い率が3年連続低下、受信料収入も4年連続減少...と、人々の「NHK離れ」が明らかになった。それでも、事業収支は263億円の黒字と、民間大企業並みの好調ぶりである。

   ネット民からは、「受信料を支払っているからこそ、あえてNHKにモノ申す」という声が殺到している。

  • 東京渋谷のNHK放送センター
    東京渋谷のNHK放送センター
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意外に少ない「ドラマ」(10%)、「エンタメ」(7%)の製作費

   NHKが6月27日に公開した「2022年度(令和4年度)決算概要」や、報道をまとめると、NHK収入の大半を占める受信料収入は、前年(2021年)度より76億円減(マイナス1.1%)の6725億円で、4年連続の減収となった【図表1】。

(図表1)受信料の推移(NHK「2022年度(令和4年度)決算概要」より)
(図表1)受信料の推移(NHK「2022年度(令和4年度)決算概要」より)

   これは、受信料の契約件数が4144万件と、前年度より11万件減ったことなどが響いている。世帯支払率は78.3%と3年連続で低下し、1年以上支払っていない「未収数」は前年度より25万件増えた【再び図表1】。つまり、だいたい5世帯に1世帯は受信料を払っていないわけだが、支払率低下の理由について、NHKは「コロナ禍や物価高が要因」としている。

   一方、事業支出は、新型コロナの影響で抑制されていた番組・取材活動など国内放送費の増加で、前年度比93億円増の6702億円だった。

   しかし、訪問営業の縮小に伴う営業経費の削減や、設備投資の抑制で支出を抑えた結果、事業収支は前年度より137億円減の263億円の黒字となった。

   黒字の263億円は、財政安定のための財源に繰り入れており、繰越金の残高は2022年度末で過去最高の2618億円となった。その一部は今年10月に行われる約1割の受信料値下げの原資に充てられる。となると、さらなる減収が見込まれる。

家族全員で楽しめるテレビ番組とは?(写真はイメージ)
家族全員で楽しめるテレビ番組とは?(写真はイメージ)

   朝日新聞(6月27日付)によると、NHKの担当者のコメントとして、「値下げが追い風になるよう、視聴者の皆さまに丁寧な説明に努め、受信料の公平負担に取り組みたい」という話を取り上げている。

   ところで、事業支出の中で、ジャンル別の番組制作費の構成比を表わしたグラフ【図表2】を見ると、興味深いことがわかる。全製作費コストは3168億円だが、内訳で一番多いのが「ニュース・解説」(29.9%)、次いで「ライフ・教養」(27.3%)、「スポーツ」(14.7%)と続く。

(図表2)ジャンル別番組制作費の割合(NHK「2022年度(令和4年度)決算概要」より)
(図表2)ジャンル別番組制作費の割合(NHK「2022年度(令和4年度)決算概要」より)

   とかく、NHK批判の中に「大河ドラマや朝ドラはいらない」とか「紅白にカネをかけるな」といった声が多いが、大河・朝ドラなどが入る「ドラマ」は約1割の10.5%、紅白などが入る「エンターテインメント・音楽」は1割以下の7.2%だ【再び図表2】。これを、「それでも多い」と見るか、「意外に少ない」と見るか――。

地方グルメ番組の料理、スタジオに大量に輸送する必要ある?

NHKの番組制作費の3割はニュース報道だという(写真はイメージ)
NHKの番組制作費の3割はニュース報道だという(写真はイメージ)

   いずれにしろ、今回の「NHK決算」、受信料収入の減少を中心に、国民の「NHK離れ」が進行していることが明らかになったが、ヤフーニュースコメント欄ではさまざまな意見が寄せられている。

   今回はあえて、受信料を払っている8割の人々に敬意を表し、「受信料を払っているからこそ、NHKに言いたい!」という声を集めた。

「受信料をちゃんと払っている立場からNHKさんにモノ言わせていただくと、某番組において、地方のおいしいものを取材しに行ったリポーターが現地で試食してリポートするまではいいものの、それをスタジオにも輸送して、ゲストの芸能人が『うまい、うまい』と食べている姿の放送って必要ですかって感じです。
私たちが払った受信料って、スタジオゲストをもてなす食材費にも使われているのかと思うと、もっと経費削って受信料安くしてくれたらなあと思います」
「子どもが生まれて、初めて『おかあさんといっしょ』や『いないいないばあっ!』などを見たので、NHKのありがたさを感じた。だが、見ていて思ったが、正直、再放送の多さにびっくりしている。こんなに再放送流しているのに、こんなに受信料とられるのかと思う。もうそろそろ子どもも大きくなり始めているので、受信拒否できるようになってもらえると嬉しい」
「10年ほど前に気づいたのですが、『プロフェッショナル 仕事の流儀』という番組は、ほぼ流れが決まっていて、だいたい中盤で両親の話をして、主役の人を泣かします。それ以来見なくなりました」
「『鶴瓶の家族に乾杯』の収録のために東京に出張する(アナウンサーもいる)。その出張は必要な費用か? 『あさイチ』のイマ推しコーナーでは、リポートをその地域のアナが務めればいいのに、わざわざ別地域のアナに出張させてリポートさせている。その出張費用は(出ているとしたら)必要か?」
「うちは、『おかあさんといっしょ』の観覧応募するために受信料を払い始めました。が、当選せずに一度も観覧できませんでした。きっと同じような経験をされた方は多いと思います。それ以来、30年以上受信料を払っています。ネットで大河ドラマの話題とかになっていますが、コメントしている方々は受信料を払っているのだろうか?」

受信料支払い率100%なら、スゴイ黒字になる! どうするNHK?

テレビのあり方とは?(写真はイメージ)
テレビのあり方とは?(写真はイメージ)

   また、民放にはない「NHKらしさ」を評価する意見も一部にあった。

「NHKだからできる番組づくりも多いのですよね。娯楽番組だと、完全新規にこだわらず、『タイバニ』(編集部注:アニメ=タイガー&バニー、もともとTBS系で放送されていた)みたいに、民放局や配信限定番組を引っ張ってくるのもコスト的には悪くはないかもしれません」
「たしかにテレビはあまり見なくなったけど、有事の際に確実につけるのはNHKだしな。民放みたいにスポンサーありきじゃないから、フェイクやあおりもないので冷静に視聴できるし。そのために有料であってよいと思うよ」
「NHKは見ているし、受信料ももちろん払っている。災害報道は地方局が全国に網羅されているので、早いし、的確。スクープ映像も他局よりも近くで撮られていたりする。何よりもCMがないのがよい。イライラしない。他局はやたらとテロップが多いから、見づらい。盛り上がったところでCMに行って、CM後また同じところから始める。(民放は)テレ東以外はあまり見ないな」
「NHKの受信料への批判もわかりますが、他の民放のコマーシャルの入れ方、もったいぶって、なかなか結果を見せないような演出と比較すると、ストレスは少ないのですが。皆さんとは違うのですかね」
「NHK面白いと思うけどなあ。全部じゃないけど。ネットをやりながら見ればちょうどよい」

   最後に、こんな素朴な疑問を紹介したい。

「受信料支払い率80%で、6000億円強の収入があり、事業が黒字。仮に全世帯が今までの受信料を一気に払ったら、すごい金額が黒字になるけど、そうなったらどうするのだろう?」

(福田和郎)

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