建築業界の人の転職...「資格」と「経験」はどちらが大事? 取りたい資格1位は?

   建築関係で人気の資格や転職で有利になりそうな資格とは、どんなものがあるのか?

   建築技術者に特化した転職・中途採用サービス「建築転職」を運営するトップリフォーム(東京都品川区)が2023年6月22日に発表した「建築業界で働いたことがある人を対象のアンケート調査」によると、建築関係職の人に人気の資格は一級建築士、二級建築士、一級施工管理技士などがあることがわかった。

  • 建築関係者の転職意欲はどのくらい?(写真はイメージです)
    建築関係者の転職意欲はどのくらい?(写真はイメージです)
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建築関係で人気の資格 3位1級建築施工管理技士、2位二級建築士、では1位は?

   この調査は、全国の建築業界で働いたことがある人から300件の有効回答を得た。期間は2023年5月15日から19日まで。調査方法はクラウドソーシングサービスを利用し回答を収集。なお、回答者の属性は、20代が「19%」、30代が「39%」、40代が「26%」、50代が「13%」、60代が「3%」。

図1 建築業界で最も長く経験した職種(トップリフォームの作成)
図1 建築業界で最も長く経験した職種(トップリフォームの作成)

   はじめに回答者の経験している職種のランキングをみてみよう。

1位 建築施工管理(新築・改修・リフォーム) 96票
2位 営業 50票
3位 施工図・設計 24票
4位 CADオペレーター 22票
5位 電気施工管理 17票
6位 設備施工管理(空調) 14票
7位 設備施工管理(給排水設備他) 12票
8位 工務・積算 8票

   最も多くの人が長く経験した職種1位は、96票を獲得して「建築施工管理(新築・改修・リフォーム)」となった。

   建築施工管理とは、発注元であるゼネコンと下請けである職人の間に立って、コミュニケーションを取りながら、工程・品質・安全・原価の管理を行う仕事。工程・工期内に施工が進むように現場の監督を担当するもの。2位の建築関係の営業職とは倍近い差がひらいている。3位の施工図・設計は、設計事務所や土木コンサルタントなどに所属して、現地の調査や図面を起こす仕事となっている。

   続いてのランキングでは、回答者が現在保持している資格について順位を付けた。

図2 建築関連で持っている資格(トップリフォームの作成)
図2 建築関連で持っている資格(トップリフォームの作成)
1位 二級建築士 52票
2位 2級建築施工管理技士(建築) 28票
3位 一級建築士 25票
4位 1級建築施工管理技士 23票
5位 2級電気工事施工管理技士 15票
6位 1級土木施工管理技士 8票
7位 2級土木施工管理技士 7票
8位 2級施工管理技士補 7票
9位 1級電気工事施工管理技士 5票
10位 1級管工事施工管理技士 5票

   建築関連で持っている資格では、「二級建築士」が1位となった。

   「二級建築士」は、戸建ての住宅、小規模の集合住宅、小規模の事業所など、比較的小規模な建物を設計し工事監理を行える資格となっている。木造建築士と異なり、コンクリート造の建物や3階建ての建物も設計できることが強みの一つとなっている。

   施工管理技士の資格は、それぞれ「建築」「電気工事」「土木施工」「管工事」「空調工事」などの専門工事の現場監督を行うのに必要な資格となっている。

   つぎに、建築業界の人が取得したいと思っている資格は、以下のような結果に。

図3 これから建築関連で取得したい資格(トップリフォームの作成)
図3 これから建築関連で取得したい資格(トップリフォームの作成)
1位 一級建築士:53票
2位 二級建築士:22票
3位 1級建築施工管理技士:21票
4位 1級電気工事施工管理技士:16票
5位 2級電気工事施工管理技士:7票
6位 2級土木施工管理技士:5票
7位 2級造園施工管理技士:5票
8位 2級建築施工管理技士(建築):5票
9位 木造建築士:4票
10位 1級土木施工管理技士:4票

   これから取得したい資格の1位は「一級建築士」となった。

   一級建築士は、さまざまな建物の設計や工事監理に携わる。集合住宅やロードサイドの商業施設、病院や学校、図書館などの公共施設も、一級建築士ならば設計が可能となっている。

   二級建築士との違いとして、二級建築士は住宅や小規模の事業所がメインだが、一級建築士は、大規模な建物や不特定多数が使う施設でも対応できる資格となる。

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