預貸ギャップは過去最大も伸びは鈍化
調査によると、国内106行の2023年3月期の貸出金は625兆3億円(前年比5.9%増)で、3月期では2008年以降、初めて600兆円台に乗せた。預金も992兆9418億円(同4.2%増)と積み上がり、「預貸ギャップ」は2008年以降で最大の367兆9414億円に広がった。前年比1.4%増だった。
ただ、預貸ギャップは、地方銀行で前年比5.4%減、第二地銀が同4.8%減と縮小するなか、大手行は同4.2%増と、大手行だけが拡大した。
「預貸ギャップ」は、預金と貸出金の差を示す。たとえば手元の現金がだぶつくと、預金と貸出金のギャップが広がり、「預貸率」を下げる要因になる。【図2参照】
なお、調査は国内106の銀行を対象に、2023年3月期の単独決算の預貸率を調べた。預貸率(%)は「貸出金÷預金×100」で算出。「貸出金」は貸借対照表の資産の部から、「預金」と「譲渡性預金」は貸借対照表の負債の部から抽出した。