ちばぎん証券に日証協が三度も注意喚起、だが「効果」なく...
問題となったのは、「他社株転換債(EB)」と呼ばれる仕組み債だ。
もともと、プロの投資家向けの金融商品で、株価や為替相場があらかじめ決められた水準(ノックイン価格)に抵触すると、償還時に大幅に元本割れしたり、利益を享受できないまま早期償還されたりする可能性がある。
仕組み債を購入した顧客には、損失を出したケースも少なくなかった。千葉銀行とちばぎん証券、武蔵野銀行には顧客から、
「投資経験がないのに勧誘された」
「顔見知りの銀行員から勧められたのに損失が出た」
などの苦情が寄せられていた。
それにもかかわらず、販売体制が改善されなかったことを、金融庁は重くみているようだ。
証券取引等監視委員会によると、苦情の数は2019年からの3年間で87件。ちばぎん証券の稼働口座数に対する苦情相談件数の割合は、日本証券業協会の会員の中で19年から3年連続で最多だったうえ、苦情を顧客からの「一方的な申し出」として処理。日証協は、ちばぎん証券に3回の注意喚起を行ったが、業務改善に適切に生かされることはなかった。