各社が取り組む「全固体電池」 28年投入目指す日産 海外勢も開発を急ぐが、具体的な時期は未定
今回のトヨタの発表に、ライバルの自動車メーカーが大きな関心をもっているのは間違いない。
国内では日産自動車が2021年11月、「社内で全固体電池の開発に取り組んでおり、28年の市場投入を目指す。24年には横浜工場内にパイロット生産ラインを導入する」と表明している。トヨタが全固体電池を「27~28年に実用化」と発表したのは、もちろん日産を意識してのことだろう。
海外を見渡すと、独フォルクスワーゲン(VW)は「25年以降に搭載車を市販する」、仏伊米のステランティスは「全固体電池を26年までに開発する」などと表明しているが、実態としては具体的な時期は見通せない状況とみられる。
全固体電池はVWやステランティスだけでなく、独BMW、米フォード・モーターなども開発を進めている。もっとも、いずれも自社の技術だけでは対応できず、全固体電池のスタートアップと組み、共同開発しているのが実状だ。
そんな国内外のライバルとの開発競争の中で、トヨタが具体的に全固体電池の市販目標を明らかにした意味は大きい。トヨタはこれまで、全固体電池をめぐり1000以上の特許を取得するなど技術的優位性を誇示してきた。だが、BEVの市販時期まで言及したのは今回が初めてだ。