「空き家税」メリット・デメリットの意見は? 「行動に移そうとする人が増える」、「負のサイクルにしかならない」
最後に「空き家税が空き家問題を解決すると思うか」と質問した。すると結果は、「はい(解決する)」が「17.4%」、「いいえ(解決しない)」が「36.8%」、「どちらともいえない」が「45.8%」という結果になった。
それぞれの回答者には、「空き家税」のメリットとデメリットを聞いた。
●空き家税のメリット
・崩壊の危機がある空き家の処理を適切にされるのであればメリットになるかと思います。(30代女性)
・空き家をどうにかしようと思い、行動に移そうとする人が増えるのではないか。(30代女性)
・税収が得られるというメリットがある。(50代男性)
●空き家税のデメリット
・空き家の相続費が負担になり放置された空き家が増え、負のサイクルにしかならないと思います。(30代男性)
・売れない土地に空家をもっている人は税金が高くなってどうしようもない状態になると思います。(40代女性)
・空き家の所有者の負担が増えるので、空き家の相続を放棄する人が増えたり、徴収した税金がきちんと活用されているのかの不安がでてくる。(40代女性)
同社では以下のようにまとめている。
「京都市が全国で初めて導入を決定した『空き家税』について知らない人は全体の66.2%で、『反対』の人は51.4%という結果に。実際に自分が相続する可能性のある家が『売れない』『借り手がつかない』人たちが『反対』の声を上げています。一方『賛成』の人は、自分が相続した場合『売る』予定の人が多く、現在おかれている状況によって賛成と反対が分かれていることがわかります。
ただ、『空き家税』が『空き家問題』を解決すると答えた人は17.4%と少なく、負担増で相続放棄が増える可能性を指摘する声も多く挙がっています。仮に相続放棄された空き家が増え続けた場合、行政が対応できるのかも含め、今後の空き家問題について考える必要がありそうです」
なお、調査は2023年4月12日から21日まで、10代から60代以上までの男女500人(男性:289人、女性:211人)を対象として、インターネットで回答を集めた。回答者の属性は10代が0.2%、20代が12.2%、30代が34%、40代が34%、50代が15.2%、60代以上が4.4%となっている。