生活に直撃するモノの値上げが相次ぐなかで、生活者の金銭感覚はどうなっているのだろう?
ビッグローブが2023年6月15日に発表した「2023年夏の生活とお金に関する意識調査」によると、コロナの5類移行にともない、夏のボーナスは貯蓄などの堅実な運用をしつつも、国内旅行などで「大きく使いたい」という人が約3割という結果に。また、夏の国内旅行については、「予定がある」「したいと思っている」をあわせた6割が意欲を見せている。
一方で、調査結果によると、物価上昇で生活に不安を抱える人が多数派で、食品値上げや電力料値上げなどに対して「対策を考えている」が約9割。ふだんの生活では、節約や節電で乗り切ろうという生活スタイルが垣間見える結果となった。
夏のボーナス、旅行に使いたい人41.0% 国内旅行に行く人61.8%と意欲的に!
この調査は、全国の20代から50代の男女1000人を対象にインターネットアンケート形式で実施したもの。調査期間は2023年6月1日から2日まで。
男女1000人のなかでも「夏のボーナスが出る予定」という男女312人に、「コロナ5類移行後、初の夏のボーナスを大きく使いたいという気持ちがあるか」と質問した。すると、「ある」は「10.9%」、「ややある」が「16.3%」で、あわせて「26.3%」の人が夏のボーナスを使う気持ちがあることがわかった。
なお、年代別では、20代は「40.0%」、50代は「17.8%」と、若い世代の方が「大きく使いたい」傾向だ。
また、同じ312人には、ボーナスの利用目的を聞いてみると、1位は「預貯金」(76.6%)、2位が「旅行に行く」(41.0%)、3位は「外食に行く」(28.8%)という結果が出た。
ボーナスの使い方として、貯金についで、意欲的という結果が出た「旅行」。これについて、では具体的な予定は立てているのだろうか。
調査では、全体の1000人に対して「夏の旅行があるか」と聞いた。すると、国内旅行については「予定がある」とした人が「25.5%」に上り、4人に1人はもう予定を立てているらしい。他方、「旅行をしたいと思っている」という人は「36.3%」だった。これらをあわせた「61.8%」の人が、国内旅行に意欲的というわけだ。
「旅行の予定がある」「旅行をしたいと思っている」という人には、さらに突っ込んだ質問として、「1回の旅行にかけるひとりあたりの予算」を聞いた。
それによると、国内旅行では「3万円未満」が「42.0%」(1万円未満=6.1%/1万円以上2万円未満=14.9%/2万円以上3万円未満=21.0%の合計)だった。「5万円未満」まで広げて見てみると、「71.3%」(1万円未満=6.1%/1万円以上2万円未満=14.9%/2万円以上3万円未満=21.0%/3万円以上5万円未満=29.3%の合計)という結果になった。
さまざまな値上げで生活に不安...節電や節約でこの夏を乗り切ろう!
一方で、昨今の物価上昇にともなう、生活への不安をどう受け止めているか。調査結果によると、「ここ1年くらい不安を感じていて、最近(ここ数ヶ月)より不安を感じている」が「20.1%」。「最近(ここ数ヶ月)不安を感じるようになった」が「15.5%」。あわせて、ここ数か月のスパンで不安が高まった人が「35.6%」になっている。やはり、6月の電気料金の値上げや食品の値上げが影響しているのかもしれない。
続いて、「生活に不安を感じている」(n=783)に対して、物価上昇に対して対策をしているかを聞いた。「節約」の項目では「あてはまる」(47.0%)と「ややあてはまる」(44.3%)をあわせて、91.3%の人が節約で対策していることがわかった。
一方で、「収入を増やす」の項目では、「あてはまる」(25.4%)、「ややあてはまる」(41.1%)をあわせて「66.5%」の人が考えていることがわかった。
では、具体的に、価格の上昇が生活の影響があると感じているものは何か。これについて質問したところ、1位は「食費」(81.2%)、2位は「電気代」(73.1%)、3位は「ガス代」(73.1%)、4位は「ガソリン代」(41.0%)、5位は「水道代」(29.7%)という順になった。
とくに、上記の結果で「電気代」と答えた731人に対して「行っている(行おうと思っている)節電対策」を聞いてみた。その結果、最多は「照明をマメに消す」で「70.3%」。次いで「エアコンの設定温度の調整」が「45.7%」、「エアコンのフィルター掃除」が「34.1%」、「使用していない電化製品はコンセントを抜く」は「29.7%」――などの対策が挙がっている。