ギリギリまで決まらない上映予定と時間、こんな不便な娯楽はあり得ない...
一方で、「昨今の物価上昇、特に電気代を考えると仕方ない」と、値上げに理解を示す声も少なくなかった。ただし、その分、「お客へのサービス向上に努めよ」という意見が殺到した。たとえば、こんな声だ。
「映画館は好きなので、多少の値上げは構わないが、上映スケジュールが週単位で、ギリギリにならないと決まらず、時間さえ間近にならないと分からないのはどうにかならないのかな。客の入りで決めているのは分かるが、せめて最低の上映期間くらい教えてほしい。
ひどいと2、3週間で終わるものもあり、毎回開始すぐに見に行けるわけじゃない。それで見逃した作品が何個もある。週末見に行きたいのに、2、3日前にならないと席も取れず、時間も分からないから予定も立てられない。世の中いろいろと便利になっているのに、すごく不便なまま。こんなに予定を立てられない娯楽って、ないと思う」
この意見には、共感と賛同の声が渦巻いた。
「特にシネコンが多くなり、ネット予約が当然になってから、そうなったと思います。子どもの頃は映画の上映時間は新聞や雑誌などの印刷物に何日も、何週間も前から発表されていた。
需要に応じて上映スクリーンを増やしたり、減らしたり、変更したりして最大限儲けようとしているのだろうが、ユーザーにとっては不満が募るやり方だし、見たいものも見られなくて映画館に足を運ぶ機会も減ってしまうのになあ」
「まったく同じことを思っていました。今やAIでかなり先の需要も予測できるだろうし、需要に応じたチケット価格(ダイナミックプライシング)にすれば無駄な空席も減らせると思う。客足にあわせてスケジュールを決めるのではなく、ある程度スケジュールは決めておいて、もっと足を運びやすくなるような方策をいろいろと考えてほしい」
「わかるわ~。大規模予算、全世代向き作品だと、上映期間も長いし、本数も多い。その反面、マイナー作品になってくると、一瞬(その週末逃したら終わり)という作品もありますものね。なので、映画好きで本数を見る人ほど不自由が増えています。
香港系やフランス系、アジア作品全般なんかが好きなので、そういうことは多々あります。あと、映画祭やウイーク的なイベント上映のみという作品もありますし、そういうのは、遠くても無理して見に行ったりしたりもします」
インターネット時代、便利になっているはずなのに、本当の映画好きが、本当に見たい映画を見られる機会がどんどん失われている。どうする、映画館?(福田和郎)