アフターコロナの転職事情とは?
転職サイト「doda」を運営するパーソルキャリア(東京都千代田区)は2023年6月15日に「転職求人倍率レポート(2023年5月)」を発表した。
同社のまとめによると、2023年5月の「doda転職求人倍率」は、前月からマイナス0.02ポイントの2.20倍。求人数は前月比101.0%で、前年同月比134.5%だった。また、転職希望者数は、前月比101.8%、前年同月比113.3%だった。
6月以降の見通しについて、doda編集長の加賀美祐介氏は、転職希望者数の動向について「引き続き10月入社を目指して転職活動を始める人が増え、例年どおり増加が見込まれます。転職希望者数の増加率よりも求人数の増加率のほうが大きい可能性があるため、転職求人倍率は上昇すると推測される」とみている。
求人数と転職希望者はともに増加 転職市場は活況!
今回の調査で使われている「doda転職求人倍率」とは、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。算出式は「転職求人倍率=求人数(採用予定人員)÷転職希望者数」。なお、求人数/転職希望者数はdoda独自の定義により算出。転職希望者の「業種」「職種」は、希望する業種・職種ではなく、直近の仕事の業種・職種だとしている。
同社のまとめによる、2023年5月の人倍率は、前月比マイナス0.02ポイントの2.20倍となった。同社によると、求人数と転職希望者はともに増加したものの、転職希望者数の増加の方が大きかったため、転職求人倍率は下降するかたちになったということだ。
また、前月と比べると、求人数は101.0%、転職希望者は101.8%になった。前年同月比でみると、求人数は134.5%、転職希望者数は113.3%となり、求人倍率としては0.35ポイント上昇した。
なお、同社は「5月の求人数は前月比で101.0%に増加し、本定義で求人倍率を算出した2019年1月以降で過去最高値となりました」としている。
転職求人倍率「人材サービス」「コンサルティング」「IT・通信」で高く
業種別に詳しく見ていくと、「前月比」で、求人の増加率が最も大きかったのは、「人材サービス」(前月比105.5%)、「金融」(前月比104.7%)だった。
このあたりの背景について同社は、求人増加率の最も大きかった「人材サービス」では、5類引き下げによって、企業ではオフィスワークとテレワークを組み合わせる「ハイブリッドワーク化」が進み、ネットワーク環境整備のニーズが高まり、技術系アウトソーシング企業でITエンジニア職の求人が増えた、と指摘している。
一方で、「前年同月比」で増加率が最も大きかったのは、「レジャー・外食」(前年同月比170.2%)、次いで「コンサルティング」(前年同月比157.3%)となっている。
では、職種別ではどうだろうか。求人数が「前月比」で増加率が最も大きかったのは、「専門職(コンサル・金融)」(前月比104.0%)、次いで「専門職(建設・不動産)」(前月比102.9%)だった。
6月以降の見通しについて、doda編集長の加賀美祐介氏は、こう指摘している。
「6月は、新卒の採用・入社が落ち着く時期でもあり、第二新卒枠として採用が増える傾向にあるため、求人数は増加すると思われます。
転職希望者数も、引き続き10月入社を目指して転職活動を始める人が増え、例年どおり増加が見込まれます。転職希望者数の増加率よりも求人数の増加率のほうが大きい可能性があるため、転職求人倍率は上昇すると推測されます」