SDGs(持続可能な開発目標)の認知率は、2023年の調査で83%と高止まりしていることが、マーケティングリサーチ事業のクロス・マーケティング(東京都新宿区)の調べでわかった。2023年6月20日の発表。SDGsの浸透状況に、鈍化がみられる。
SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択され、今年は2030年の目標達成までの中間期にあたる。調査では、SDGsの浸透状況について、認知率の推移、「17の目標」の興味・関心などを分析した。
40代~50代男性はSDGsへの興味が薄い?
調査によると、2023年のSDGsの認知率は、83%(「名称も内容も知っている」と答えた44%と「内容は知らないが、名称は聞いたことがある」39%の合計)だった。昨年(82%)とほぼ同じ結果で、SDGsの浸透状況の推移は鈍化している。
昨年より認知率がやや高まったのは、18~29歳と60代の女性だった。【図1参照】
次に、SDGsの「17の目標」のうち、「興味・関心がある」ものについて、コレスポンデンス分析(Correspondence Analysis)を用いて解析した。その結果、18~29歳と30代の女性は「5.ジェンダー平等を実現しよう」、40代、50代、60代の女性は「11.住み続けられるまちづくりを」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」、60代男性は「16.平和と公正をすべての人に」、30代男性は「4.質の高い教育をみんなに」、18~29歳男性は「8.働きがいも経済成長も」に、興味・関心を持っている傾向がみられた。
その半面、40代と50代の男性は、「17の目標」のいずれにも、興味・関心のなさが目立った。【図2参照】
ジェンダー平等「賛成」でも、「女性専用トイレが減るのは困る」
ジェンダー平等の取り組みで、世界的に後れをとっている日本。調査では、SDGsの「17の目標」の中から、「5.ジェンダー平等を実現しよう」という取り組みについて、ふだん目にしていることや身近で話題になっている出来事を聴取した(自由回答)。
それによると、「男女間格差/差別(キャリア、賃金)」や「多様性・ダイバーシティ」「LGBT/LGBTQ」「性的マイノリティ」「ジェンダーレス」「ジェンダーレストイレ」などの声があがった。
ただ、ジェンダー平等には賛成するが、「女性専用トイレが減るのは困る」との意見も複数あがった。【図3参照】
なお、調査は全国47都道府県の18~69歳の男女(人口構成比に応じて割付)を対象に、2023年6月2日~4日に、インターネットで実施した。有効回答者数は、2500人。