建設DXを大企業と共創...Arent社員の平均給与はいくら? 気になる業績推移や株価もチェック!【よくわかる企業分析】

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「巨大な建設業界」における「デジタル事業」に集中

   Arentのビジネスは、顧客企業と「DXにおけるパートナー」としての継続的な協同関係を通じ て、課題発見からプロダクトを共創開発します。さらには、事業化までを行い、開発した共創プロダクトについて、パートナー企業などを通じて販売するものです。

   メイン事業の「プロダクト共創開発」は、コンサルティング・システム開発のビジネスです。たとえば、建設業界の大手企業等に対し、DX支援のためのコンサルティング・システム開発(主に準委任契約)を行い、Arentの売上高のほぼすべて(96.4%)を占めています。

   プロダクト共創開発の初期リリースの後は、顧客の要望する追加機能の開発などを行い、さらに成果の商品化・外販を行いますが、これが2つめの「共創プロダクト販売」。千代田化工建設の案件が、このフェーズです。

   2021年4月にリリースした「PlantStream」は、プラント設計における膨大な配管作業を、各配管の間隔等の諸条件をクリアしながら、自動的に行うツール。1分間に1000本もの配管を行い、 手作業が一般的であった従来工数の削減を可能にします。

   Arentは、事業領域を「巨大な建設業界」における「デジタル事業」に絞り、「ニッチ領域をBIM/SaaS化」という特徴を打ち出していくとしています。

   なお、BIMとはBuilding Information Modelingの略で、コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデルを再現し、よりよい建物づくりに活用していく仕組みとされています。BIM上には図面以外にも、素材や組み立て時間などさまざまなデータを盛り込むことができます。

   一方、SaaSとは「Software as a Service」の略で、インターネット経由でクラウド上のソフトを利用できるサービスのこと。つまり同社では、顧客に密着して、「共創」によって構築したソリューションを、パッケージ化して外販することを想定していると考えられます。

こたつ経営研究会
こたつ経営研究会
有価証券報告書や決算説明書などの公開情報を分析し、会社の内情に思いをめぐらすニューノーマルな引きこもり。昼間は在宅勤務のサラリーマンをしながらデイトレード、夜はネットゲームをしたりこたつ記事を書いたりしている。好きなピアニストはグレン・グールド。嫌いな言葉は「スクープは足で稼げ」。
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