【物流の2024年問題】年960時間を超えるドライバー「いる」29.1%...前回調査から微増 課題解決へ、消費者の協力も必要(鷲尾香一)

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   2024年4月から施行されるトラックドライバーの時間外労働の規制強化である流通業界の「2024年問題」が深刻だ。運送業界では対策を進めているものの、全日本トラック協会が2024年6月2日に公表した「働き方改革モニタリング調査」の結果では、対策が進展していない。

2024年問題...時間外労働時間の上限が、年間960時間に

   2024年問題とは、トラックドライバーについて、時間外労働時間は年間960時間に規制されるほか、国がルールとして定める年間の拘束時間が、3300時間に見直されるもの。これにより、実働できるトラックドライバーが減少することで、輸送量の減少が懸念されている。

   同協会では、の時間外労働時間が年960時間超となるトラック運送事業者の割合をゼロ%とする目標を掲げ、進捗をモニタリングしている。今回の調査では、678の運送事業者から回答を得た。

   2024年問題の最大の課題である時間外労働時間が年960時間を超えるドライバーの有無では、2022年10月時点で「いる」の割合は29.1%と、2021年10月時点の調査よりも2.0%増加している。

   ただ、「いない」の割合が69.2%から68.4%へと0.8%減少にとどまっている。一方で、「わからない」が2.6%から1.0%へ1.6%減少、「無回答」が1.1%から1.5%へ0.4%増加していること。このことから、「いる」の増加とは、「わからない」→「いる」に変わった分と「無回答」の増加によるものと推測される。(グラフ1)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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