「優しさは人にとっても職場にとっても、大切なキーワード」
――何よりも、産休育休を取った人が気持ちよく休業期間を過ごし、明るく復帰してくる環境を整えることが大切ですね。
川上敬太郎さん「そのとおりです。ただ、あくまで投稿内容の範囲での印象になりますが、投稿者さんにも、会社側にも、『優しさ』を感じないことがとても気になりました。
投稿者さんが思い入れを持っていたプロジェクトであればあるほど、そのプロジェクトを引き継いで運営した後任の方に、相当の負荷がかかった可能性もまたあると思います。それが社内コンペでグランプリを受賞したということは、後任の方たちがしっかりと引き継いで運営してくれた証拠です。
しかし、投稿者さんのカキコミを見る限りでは、残念ながらそんな頑張りをいたわったり、思いやったりする優しさを感じません」
――たしかに、双方がトゲトゲしている印象を受けますね。大企業だからでしょうか。
川上敬太郎さん「ただし一方で、上司や後任の方、社内コンペを運営している関係者などの会社側からも、投稿者さんの気持ちに寄り添う優しさを感じません。優しさを感じない職場は、ちょっとした歪みが殺伐とした空気に直結しがちです。
そんな職場で、もし投稿者さんが復帰早々上司に抗議して感情をぶつけることになれば、もっと殺伐とした空気が生まれることになるのではないでしょうか。職場はあくまで仕事をするための場所に違いありません。
しかし、そこに集い、仕事するのは人間です。優しさは人にとっても職場にとっても、大切なキーワードだと思います」
(福田和郎)