「産休前に手がけた企画の功績を、後任に横取りされた」上司に抗議したいという女性の投稿が炎上!「だったら育休取るな」「職場が冷たすぎる」大論争...専門家に聞いた(3)

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   「育休中に、私が積み上げてきた功績を後任に横取りされた。上司に抗議したい!」という女性の投稿が炎上気味だ。

   産休に入る前、自分が主導してきたプロジェクトが社内コンペで優勝し、栄誉はすべて後任の手に。女性は社内コンペがあったことさえ知らされなかった。

   「めちゃくちゃ悔しい」という女性の投稿に、「そんなに大事なプロジェクトなら、休みを取らなければよかった」という批判と、「職場が冷たすぎる。これでは女性が子育てしながらキャリアを積むのは無理」という共感が錯綜する。専門家に聞いた。

  • 社内コンペでグランプリを獲得したのだけれど…(写真はイメージ)
    社内コンペでグランプリを獲得したのだけれど…(写真はイメージ)
  • 社内コンペでグランプリを獲得したのだけれど…(写真はイメージ)

「妊娠や育休取得を批判する声は、人権侵害や差別につながる」

   <「産休前に手がけた企画の功績を、後任に横取りされた」上司に抗議したいという女性の投稿が炎上!「だったら育休取るな」「職場が冷たすぎる」大論争...専門家に聞いた(1)>および<「産休前に手がけた企画の功績を、後任に横取りされた」上司に抗議したいという女性の投稿が炎上!「だったら育休取るな」「職場が冷たすぎる」大論争...専門家に聞いた(2)>の続きです。

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妊娠することが悪いというの?(写真はイメージ)

―― 一方では、そんな職場の「冷たさ」にも同情が多く寄せられました。上司やかつての仲間、後任からグランプリ受賞の連絡があってよかったのではないか、という意見です。あるいは、育休中だからと気を遣ったのかもしれませんが。

川上敬太郎さん「職場側の事情も確認してみないとわからない面はありますが、少なくとも投稿者さんが不満を感じたことは事実です。実際には、プロジェクトに対する投稿者さんの貢献はそれほどではないと思われていたり、社内コンペでグランプリを受賞するに至ったのは、後任の方の功績が決め手だったりした可能性もあります。
ただ、社員が不必要に不満を感じてしまうことにならないよう、職場としての対応に不備がなかったかについては、検証する余地はあるように思います」

――そのとおりですね。女性と同じように、会社から賞を受けたプロジェクトにたずさわったが、産休育休のために抜けた人から、「表彰パーティーに呼ばれた」とか、「上司から花が贈られてきた」という体験が寄せられました。

川上敬太郎さん「産休育休取得者も当然ながら会社の一員です。休業に入る直前まで携わっていたプロジェクトが評価されたとなれば、表彰パーティーに呼ばれたり、花を贈ってもらったりするようなこともあるのだろうと思います。
そのような職場からは、社員一人ひとりの気持ちを大切にしているという優しさや温かみがあるような印象を受けます」

――マミートラックの問題に戻りますが、女性に対する共感・同情で多かったのが、「『妊娠を調整すべきだった』とか『育休をとるべきではなかった』という批判が多いことに衝撃を受けた。それでは、女性が家庭と仕事の両立をはかることなど、とうてい無理ではないか」という意見です。

川上敬太郎さん「いずれも、投稿者さんが感じている不満の感情に寄り添った意見だと感じます。妊娠や産休育休の取得を批判する声については、人権侵害や差別につながる印象さえ受けます。
男性の育休取得も進めていこうとしているなかで、マイナスにこそなれ、決してプラスにはならないと思います。妊娠や産休育休の取得を批判する声に対して疑問を投げかける回答者の方々の意見に、私も賛同します」
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