「2年も仕事を離れると、ポジションがなくなる」という不安の声
J‐CAST 会社ウォッチ編集部では、産休育休前に手がけたプロジェクトが社内コンペで表彰されたのに、何の連絡もなかったことに怒りをぶつける女性の投稿をめぐる論争について、働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。
――この投稿とさまざまな回答を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか?
川上敬太郎さん「投稿者さんとしては、思いを込めて携わってきたプロジェクトが社内コンペでグランプリを受賞したにもかかわらず、ご自身の貢献がなかったもののようにされていることへの悔しさといった感情を吐き出した投稿なのだと思います。
一方、回答者たちからは産休育休を取得したことへの是非に言及するコメントが多く、投稿者さんと回答者さんたちとの間で、問題にしているポイントがズレてしまっているように感じました」
――論争の背景には、産休育休によって女性のキャリアが中断する問題、いわゆる「マミートラック」があると思いますが、川上さんが研究顧問をされている働く女性のホンネを探る調査機関「しゅふJOB総研」で、この問題を調べたことはありますか?
川上敬太郎さん「政府が育休期間を最大2年まで延長することを検討していた2017年頃、仕事と家庭の両立を希望する主婦層に賛否を聞いたことがあります。
◇育児休業期間延長についてどう思う?
その際、賛成が過半数で反対は13%しかいませんでしたが、反対と回答した人に理由を尋ねたところ、『時代の変化が早く、スキルが追いつかなくなる』との答えが最も多く61%。次いで『2年も仕事を離れると、ポジションがなくなる』が45%でした」
このあとも、川上さんのアドバイスが白熱します――。<「産休前に手がけた企画の功績を、後任に横取りされた」上司に抗議したいという女性の投稿が炎上!「だったら育休取るな」「職場が冷たすぎる」大論争...専門家に聞いた(2)>に続きます。
(福田和郎)