「このままでは自分の将来が見えません!」会社でのキャリアに不安を持ち始めた若手部下...どうアドバイスする?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE31(前編)】(前川孝雄)

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社員一人ひとりのキャリア形成を会社が真剣に考えなければならない時代

   部下が仕事を通じて成長していくためには、部下自身が自らの成長意欲の源となるキャリア観を持つことが大切です。

   変化の激しい現代を生きる今の若手社員にとっては、働くモチベーションを支える重要なテーマといえるでしょう。しかし、企業側や上司側にこの点に応える準備ができているかといえば、十分とは言えないのが現状ではないでしょうか。

   特に、歴史のある企業や大企業においては、これまでキャリアについてあまり重視されてきませんでした。それは、一度「就社」すれば終身雇用が前提で、会社の求めに応じて異動や転勤を繰り返しながら昇進し、定年まで働くことが暗黙的に保障されていたからです。働く人たちの多くも、それを信じていたといえるでしょう。

   しかし、現代の若手はそのようには考えておらず、自分自身が「人生100年時代」を生きるうえで、終身雇用を前提にしてはいません。

   会社での仕事を通してプロフェッショナルとなり、ちゃんと食べていける人生設計の見通しを持ちたいと考えています。必定、現在の職場での仕事が自分のキャリアにとってどのような位置づけになるのか、意味づけながら働くことを望んでいるのです。

   社会・経済のグローバル化、第4次産業革命、DXとAIやロボティクスへの仕事の代替化、さらにコロナ禍によるパンデミック、戦争、災害の多発化等々...。時代の大転換のなかにあることの影響が大きいのは、言うまでもありません。

   したがって企業側にも、社員に対し、あらためて自社におけるキャリア形成の考え方や見通しを提示していくことが求められます。上司には、この状況を理解し、部下のキャリア形成を支援する役割を担うことが求められるのです。

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