岸田政権がこだわる「ジョブ型人事」 人材獲得の面で、日本企業の国際競争力を高める狙いだが...
「退職金が実質、減額になるのでは」。突然の政府方針にサラリーマンからは不安の声が続出している。
優遇制度が縮小になれば、老後のプランが瓦解してしまうケースも考えられ、制度の「改悪」につながりかねない状況だ。
「改悪」は退職金制度だけにとどまらない。
改定案で、岸田政権が異様なこだわりを見せたものがある。それは、「職務給(ジョブ型人事)」の導入だ。
複数の企業の先行例を示すなどジョブ型人事に紙幅を割いており、産業界には「これを参考に早急に導入せよと言わんばかりの書きぶりだ」と困惑が広がる。
従来の給与体系は年功序列が色濃く、高い能力(スキル)をもつ人物を高給で迎え入れることが難しかった。
これに対し、ジョブ型は年齢や勤続年数ではなく、職務に応じて給与を払う制度。
ジョブ型を普及させることで、人材獲得面でも日本企業の国際競争力を高める狙いがあるが、政権の思惑通りに進むかは不透明だ。