大学発ベンチャーを輩出する大学ランキング 増加数が過去最多で注目度高いが、経営面で課題も(鷲尾香一)

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回答のあった480社の資本金は「1000万円以上5000万円未満」が最多

   活発な設立が続く大学発のベンチャー企業だが、その経営実態は決して楽なものではない。回答があった474社の正社員数は「5人未満」が52%を占め、「5人以上10人未満」が24%と、10人未満が76%の連載企業に近い状況だ。

   回答のあった480社の資本金では、「1000万円以上5000万円未満」が最も多く122社、次いで、「100万以上500万円未満」の119社となっている。500万円未満の企業は32.7%と3分の1を占め、1000万円未満の企業が49%と約半数にのぼっている。(グラフ2)

   直近事業年度の売上高では、回答のあった385社のうち、「1000万円以上5000万円未満」が最も多く116社。次いで、「1億円以上10億円未満」が73社だが、「0円」も71社にのぼっている。500万円未満の企業が33%と全体の3分の1を占め、5000万円未満では全体の71.2%にのぼる。(グラフ3)

   この結果、回答のあった363社の直近事業年度の営業利益は、「0円」の企業が最も多く87社。次に「100万円以上1,000万円未満」が82社、「1000万円以上1億円未満の赤字」が46社などとなっている。

   赤字企業は116社、黒字企業は160社と黒字企業の方が多いものの、赤字企業は全体の33%と3分の1にのぼり、営業利益「0円」を含めると57%と半数以上が利益を生み出していない。(グラフ4)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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