とくにデスクワークの多いビジネスパーソンが悩んでいるであろう、肩こり。世のお父さんたちの肩こり事情はどうなっているのだろう。それと、父の日はぜひ、日ごろの疲れをねぎらっては?
そうしたなか、休養時専用ウェアを手掛けるベネクス(神奈川県厚木市)は、日本リカバリー協会(事務局:神奈川県厚木市)の協力のもと、「リカバリー(休養)」に関する調査を共同で実施。2023年6月12日にその結果を発表した。
それによると、肩こりに悩むお父さんは高い水準で横ばいに推移しているものの、職種間での差が小さくなっているのが特徴だった。
肩こり症状があるお父さん65.5% 20代~40代は70%超え
今回の調査「ココロの体力測定 2023」は2023年4月18日~5月23日、インターネットを通じて行われた。SCR調査(スクリーニング調査=本調査を行う前に、調査対象者をふるいにかける事前調査)では全国の20~79歳の10万人(男女各5万人)を対象として、このうち本調査対象となったのは1248人(男女各624人)。
そのほかの条件として、SCR調査項目:10問、本調査項目:30問。疲労度合項目は厚生労働省「ストレスチェック」B項目をもとに独自加工して、点数化。集計データじゃ県・年齢を実際の人口でウエイト修正を行い活用した。
まずは、2021年の同時期、同じ規模で行われた調査と比較して、お父さんの肩こり事情はどう変化したか調べた。その結果、頻度に関わらず首筋や肩がこる症状が「あった」と回答した人は65.5%だった(肩こりの症状が「ときどきあった」36.1%、「しばしばあった」19.5%、「ほとんどいつもあった」9.9%)。【図1参照】
また、年代別に肩こりの頻度を見ると、肩こり症状がある人(「ときどきあった」「しばしばあった」「ほとんどいつもあった」)の割合が7割を超えて高いのは、20~40代の若年層だった。具体的には、「肩こり症状がある」としたのは、20代74.0%、30代75.3%、40代71.7%。そのうえ、前回調査との比較では、30代がプラス3.1%、20代がプラス1.6%、40代がプラス1.3%だった。【図2、図3参照】
職業別ではどうか。2年前の前回調査で最も高かったのは、事務系の会社員として働くお父さんの70.3%だったが、今回調査では67.3%にダウン。
一方で、技術系の会社員(65.9%→68.2%)、その他に分類される営業系などの会社員(67.2%→68.4%)のお父さんの肩こりは増加している。図を見ると、いずれの職種でも6割以上が肩こりに悩んでいるようだ。【図4参照】
長時間同じ姿勢で座る、デジタルデバイスと向き合う時間が長いと、肩こりに...
一方で、肩こりにも影響しやすい、座っている時間についても調査した。
それによると、「5時間以上」のところで、特徴がある。全体では33.7%(「5時間以上7時間未満」20.2%、「7時間以上」13.5%)だったのに対して、「父親」の区分では38.8%(「5時間以上7時間未満」15.8%、「7時間以上」23.0%)だった【図5】。世のお父さんは、5時間以上の座位時間が多い傾向が読み取れた。同社は、こう分析するとともに、アドバイスを送る。
「在宅ワーク、オンライン会議の普及など、働く環境が多様化していることに加え、多くの職種で長時間同じ姿勢で座っていることや、デジタルデバイスと向き合う時間が長いことが体の血流の滞りを引き起こし、首筋や肩こりの悩みが発生していることが推測できます。このことから、こまめな休憩やストレッチで筋肉を動かすことが重要であると明確になりました」
また、都道府県別のランキング結果も出ていて、興味深い。それによると、首筋や肩のこりに悩むお父さんが多いのは、1位:香川県、2位:高知県、3位:長崎県、4位:鹿児島県、5位:島根県という結果に【図6】。
ちなみに、2021年の調査での順位は、1位:高知県、2位:鹿児島県、3位:香川県、4位:和歌山県、5位:宮崎県。2年前の結果と比較すると、香川県、高知県、鹿児島県では引き続き肩こりに悩むお父さんが多いようだ。
最後に、「肩こりがあるお父さん」と「肩こりがないお父さん」を比較して、「疲労解消行動」に違いがあるかも調べている【図7】。
その結果を見ると、実践率が高いものとして、上位には「ジムに行く」、「スポーツ・運動で汗をかく」、「筋トレ」など、身体を動かすことが目立った。ほかに、「脳トレ」、「お洒落をする」、「コーヒーを飲む」などがユニークなところ。
これらを参考に、まだ父の日のプレゼントを買っていないという人は、リフレッシュできるものを贈ってはいかがでしょうか。