中小企業こそ、データを活用した経営で生き残れ!

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「成績の良いセールスパーソンほど、残業時間が少ない」

   ルッカースタジオを導入したのは、2019年2月。最初に取り組んだのは、タイムカード(残業時間)の可視化だ。個人別営業成績と関連づけたところ、意外な事実がわかった。「成績の良いセールスパーソンほど、残業時間が少ない」ことだった。

   残業が多いのは、勤務時間中に全力を出していない証拠だという。

   そこで小山さんは、「残業時間が減っても可処分所得は減らないしくみ」を導入した。売上が下がらずに残業が減ったら、社員賞与やパート賞与を増やすことにした。その結果、月平均の残業時間が76時間超から9.84時間と劇的に減った。

   以前は新卒採用者の5割が1年で退職していたが、21年は23人が入社し、退職者はゼロだそうだ。ブラック企業から転換を図ることができた、と自負している。

   ユニークなのは、上司と部下の飲み会の回数までデータ管理していることだ。新型コロナウイルスの終息とともに、飲み会・ランチ会などの懇親会を人材戦略の一環として位置づけ、実施状況や参加状況をデータで管理している。

   パート・アルバイトを含めた部門の飲み会や上司と部下のサシ飲みも公式行事として、会社が費用を負担している。ただし、サシ飲みについては、同一人物と2カ月連続は不可などのルールがある。上司は脇役とされ、部下の質問に答える場と位置付けられている。

   社員に支給する懇親会の費用は年間2500万円というから驚く。「飲みニケーション」に対して否定的な風潮が強くなってきたが、同社では大切なコミュニケーションの場として重要視されている。

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