「4割が打撃」と「影響ゼロ」の業界、花粉症被害企業が二極化
一方で、影響を「全く与えていない」(26.4%)と「あまり与えていない」(45.4%)を合わせると、約7割(71.9%)の企業で花粉症の悪影響が少なく、企業の被害が二極化している。いったい、どんな業種の企業に悪影響が及んでいるのか。
「悪影響あり」と回答した企業が多い業種の上位は、「宿泊業」(45.0%)、「自動車整備業」(44.0%)、「社会保険・社会福祉・介護事業」(43.4%)、「医療業」(42.3%)など。いずれも4割以上という高い被害率だ。対面型サービス業ほど、花粉症の影響が深刻なことを示している。
ところが、「悪影響なし」の業種を見ると、「金融商品取引業、商品先物取引業」ではまったく被害がない「0%」だった。こちらは、ほとんどスマートフォンやパソコン作業の仕事が中心だ。続いて「広告業」(2.8%)、「飲料・たばこ・飼料製造業」(9.7%)、「家具・装備品製造業」(11.6%)の順だった。
今回の調査結果について、東京商工リサーチではこうコメントしている。
「政府は、花粉症対策として約30年後に花粉発生量の半減を目指す。だが、スギ伐採増は容易でなく、国土保全や地球温暖化対策なども複雑に絡み合い、スギ材の需要拡大にも暗い影を落とす。当面、花粉症への抜本的な対策は難しく、花粉飛散量が多い日は、コロナ禍で浸透した『テレワーク・在宅勤務』でしのぐ企業が増えそうだ」
調査は2023年6月1日~8日、全国の5735社にインターネットを通じてアンケートを行なった。