日本は事務作業中心、米国はクリエイティブ作業にも活用
また、「ChatGPT」利用者に具体的な用途を聞くと、日本では利用率の高い順に「文章生成」「要約」「校正・構造化」「情報検索」となった【図表4】。
具体的には「メールなどの定型文を作成する」「議事メモを要約する」「膨大な情報があるときの整理」など、業種や部門とは関係なく事務作業を効率化する用途が目立った。利用率の高い人事部門では「面接の質問案」「求人票の言い回し」などアイディアの生成にも利用されている。
先行する米国では、日本よりも用途が幅広い。「アイディア生成」などクリエイティブな作業や、「ChatGPT」の進化型「GPT4」を活用した「自然言語でのコーディング」の割合が日本の3倍近く高かった【再び図表4】。
生成された内容の満足度を聞くと、日米ともに用途ごとに若干の温度差はあるが、10段階評価でおおむね6~7点と、高く評価している。さらに、9割以上の利用者が「今後も利用継続したい」と答えた。
さて、「ChatGPT」の利用を拡大するための課題はなんだろうか。
日米ともにトップは「回答の精度」で5割弱を占めた【図表5】。満足度や利用継続意向が高いため、より高精度な回答を求めている。「ChatGPT」では、指示の出し方(プロンプト)で結果が大きく左右される。現状は、プロンプトをSNS、まとめサイトなどを通じて個人間や特定のコミュニティーで共有しているケースが多い。
日本でも、ソフトバンクやパナソニックなど全社での利用を進め、自社での使いやすさを見つける先進企業も出てきた。今後はより広いハブを構築し、業界や業務ごとにより良いプロンプトや活用事例を整理する必要が出てきそうだ。