ウォール街も「ショック慣れ」? 利上げ休止のFRB「タカ派」ポーズに、市場冷ややか...エコノミストが指摘「でも、これこそ日本株高の終わりの始まり」

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予想外の日本株高「終わりの始まり」、どうする日銀?

米国経済、日本経済はどうなるのか?(写真はイメージ)
米国経済、日本経済はどうなるのか?(写真はイメージ)

   さて、最終局面に近づいてきたFRBの金融政策。日本銀行の金融政策にどんな影響を与えるだろうか。

   金融市場は「オーバーキル」(過剰な景気引締めで経済が悪化すること)を意識し始めてきた、と警告するのは、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。

   木内氏はリポート「利上げ停止の後に年内2回の追加利上げを示唆したFRB」(6月15日付)のなかで、こう述べている。

植田和男・日本銀行総裁(日本銀行YouTubeチャンネルより)
植田和男・日本銀行総裁(日本銀行YouTubeチャンネルより)
「今回のFOMCで示された年内の追加利上げ幅は事前予想を上回ったが、それに対する金融市場の反応は複雑であった。ダウ平均株価は大幅に下落した。先行きの金利見通しの引き上げによって株価のバリュエーションの調整が生じた、との解釈もできるが、他方で金利による敏感なナスダックの株価は上昇している。この点から、ダウ平均株価の大幅下落は、追加利上げによる景気悪化を警戒したものと考えられる」
「2年国債利回りは前日から0.1%ポイント程度上昇した。他方、10年国債利回りは逆に0.2%ポイント程度低下し、逆イールドが一段と進んだ。これも、追加利上げによる景気悪化懸念を反映したものだろう」
「このように金融市場は、FRBの利上げによって景気が悪化するオーバーキルのリスクをより意識したように見える。実際、あと2回の利上げが実施されれば、実質金利(FF金利-中長期の予想物価上昇率)は3%台半ばと、リーマンショック前の3%程度を大きく上回ることになり、オーバーキルのリスクは高まるのではないか」

   そして、木内氏はこう結んでいる。

「こうした点を踏まえると、日本銀行の緩和継続観測とFRBの追加利上げ観測によって1ドル140円まで進んだ円安ドル高の流れも、そろそろ一巡するのではないか。それは、予想外の日本株高を演出してきた大きな要因が薄れることを意味しよう」

   FRBがタカ派姿勢を強めたことを受け、6月15日の東京株式市場ではバブル後最高値を更新し続けてきた日経平均株価は5営業日ぶりに反落した。

   折しも6月16日には、「植田日銀」の金融政策会合の結果が発表される。市場では、「大幅金融緩和策の維持」という見方が大半だが、こちらでも「サプライズ」はあるのか?(福田和郎)

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