特定の広告代理店からの販売実績が7割超
ブリーチの「シェアリング型統合マーケティング事業」について、もう少し噛み砕いた説明を加えましょう。
ブリーチは「主に化粧品、日用品、機能性表示食品等のインターネット通販会社、及び美容サロンや金融サービス等を展開する企業」の広告を作成し、自社負担でLINEやYahoo! JAPANに広告を出します。
そして、その広告を見て一般消費者が商品やサービスを購入すると、その売上から一定割合を報酬として受け取ります。
したがって顧客企業は、実際に計上された売上実績から広告費用を支払えばよく、あらかじめマーケティング予算を確保しにくい中小・中堅企業には都合がよいサービスといえます。
なお、ニュースやコラム(当コラムも)を配信先のポータルサイトで読む読者も多いと思いますが、よく記事の下に「PR」または「おすすめの記事」として、ホワイトニングケアやダイエット食品などの記事広告やランディングページへのリンクが貼られているのを見たことがあるでしょう。
その末尾の「運営者情報」のリンクをクリックすると、販売会社とは別に「媒体運営者情報」が記載されている場合があります。これが、アドアフィリエイト(アドアフィ)会社です。
ブリーチは、読者の目を引くタイトルや画像素材を使った記事を自社で作成し、自社負担でポータルサイトに広告を掲載し、売上に応じて報酬を得ているアドアフィ会社というわけです。
広告案件の受注は、顧客企業との直接取引のほか、広告代理店を介する場合があり、有価証券報告書には主要な顧客として株式会社アールの名前があがっています。
アール社との取引が販売実績に占める割合は、2022年6月期で71.4%、2023年6月期第3四半期で70.1%と非常に高くなっています。
この点について、有報の「事業等のリスク」には「特定の販売先への偏重について」として、「当該企業との契約内容に変更等が生じた場合や計画通りに新規顧客企業の獲得や取扱い商材のユーザー獲得が進まない場合」には、事業リスクがあるとしています。
また、アール社との取引における主な取扱商材は「特定の大手企業グループが企画・製造・販売する育毛剤、美容液、機能性表示食品等の数点の特定の商材」となっており、ここにも事業リスクがあるとしています。