職場のアルコール検査...4割超が「運転前に実施」
調査では、「職場で飲酒運転の防止策が取られている」と答えた人が73.2%と7割を超えた。前回調査(2019年、N=700人)の61.1%から12.1ポイントも上昇したことから、「飲酒運転を防止するための具体策」(複数回答、n=1000人)についても聞いた。
それによると、息を吹き込むことで体内に残留するアルコール濃度を計測する「アルコール検知器」による社内チェックを、「社用車の運転前に実施する」と答えた人は、41.7%と4割を超えてトップだった。前回調査から2倍以上の大幅上昇(25.6ポイント増)となった。
また、「職場に飲酒運転防止のための委員会などを設置する」と答えた人は10.0%と少ないながらも、前回調査からは5.3ポイント増えた。
タニタは、
「社用車ドライバーのアルコール検知器によるチェックの義務化は延期となっていますが、飲酒運転となる危険性を数値で可視化することで、防止に取り組んでいる職場が多いことがわかりました」
としている。
その一方で、「アルコールの基礎知識を学ぶ機会を設ける」と答えた人は、前回調査から8.1ポイント下がり、17.3%となった。職場で飲酒と運転に関して正しい知識を学ぶ機会が減少しているという実態が明らかになった。
「飲酒運転防止マニュアルを配布する」と答えた人も、前回調査の24.1%から21.1%に、3ポイント下がった。【図6参照】
タニタは、
「今回の調査では、新型コロナウイルス感染症の5類移行の中で、飲酒の基礎知識やチェック体制の必要性が浮き彫りになりました。飲酒運転を防止するためには、アルコール検知器によるチェックとともに、安全運転管理者をはじめ、ドライバーがアルコール検知器の使い方を知ることやメンテナンスなどを怠らないこと、組織内でドライバーに限らず関係者が飲酒と飲酒運転に関する正しい知識を学べる機会を定期的に設けることが大切です」
としている。
なお、調査は全国の20歳~69歳のお酒を飲む習慣があり、仕事で社用車を運転することがあるドライバー1000人を対象に、2023年4月4日~5日にインターネットで実施した。飲酒と運転についての知識や行動、組織における飲酒運転の防止策など幅広く聞いた。調査は3年5カ月ぶりの実施で、今回が3回目。