リサーチデータマーケティングを行う「リサピー」を運営する株式会社IDEATECH(東京都港区)は2023年6月8日に「ChatGPTのマーケティング活用に関する実態調査」を発表した。
調査によると、マーケティング活動においてChatGPTを活用する場合、主な目的は「コンテンツ生成(づくり)の効率化」が51.4%になり、最多だった。さらに、具体的なマーケティング業務への活用の仕方について、多い順に「データ分析」、「市場調査」、「商品開発」が挙がっている。
一方では、ChatGPTの問題点を聞くと、「誤情報の提供」や「ユーザーとのコミュニケーションの不一致」、「セキュリティやプライバシーへの懸念」があるとしながらも、このままマーケティング業務で使い続けたい人は9割超に上った。やはり、業務効率化への期待が高いようだ。
ChatGPTの使用例「コンテンツ生成の効率化」が51.4%で圧倒的多数に
この調査はIDEATECHが提供する「リサピー」の企画によるもので、2023年6月1日から2日までの間、業務でChatGPTを活用した経験があるマーケティング担当者109人を調べた。
はじめに、2022年11月30日に公開されたChatGPTをどのくらいの期間、マーケティング活動で活用しているかを聞いた。すると、「1カ月以上2カ月未満」が「22.0%」、「2カ月以上3カ月未満」が「28.4%」となり、合わせて「50.4%」が3カ月以内にChatGPTを使い始めていることがわかった。
続いて、主な目的を聞いてみると、「コンテンツ生成(づくり)の効率化」が「51.4%」となり、「カスタマーサポートの改善」が「38.5%」、「マーケティング調査と洞察の強化」が「32.1%」という結果になった。
一方で、どのようなマーケティング業務に使用しているか質問すると、「営業企画」(42.2%)、「データ分析」(41.3%)、「商品企画」(40.4%)、「市場調査」(39.4%)と僅差の並びとなっている。
前の質問で「その他」、「わからない/答えられない」と回答した人以外に、「その中でも、重点的にChatGPTを活用している業務について教えてください」(n=100)と聞いてみると、多い順に「データ分析」(27.0%)、「商品開発」(19.0%)、「市場調査」(17.0%)、「広告宣伝」(15.0%)という結果になった。
自由回答で詳しい使い方を聞いてみると、
・49歳:コンテンツの中のテキスト作成
・30歳:キャッチコピー制作
・59歳:集客の為のアイデアを考えてもらう
・46歳:不動産の概要を入力し、販売についてのコメントを生成
・37歳:記事作成の項目出し
・38歳:メルマガ作成
という意見が上がっている。
ChatGPT活用の成果「迅速なコンテンツ生成」「迅速なカスタマーサポート」 スピード勝負の業界では有効?...一方で、課題は?
また、ChatGPTを使うことで得られた効果について聞くと、「迅速かつ大量なコンテンツの生成」が「43.1%」で最多。次いで「迅速なカスタマーサポートの提供」が「38.5%」、「マーケティング調査や市場分析の効率向上」が「36.7%」、「個別の顧客対応とパーソナライズ」が「30.3%」、「時間と人的リソースの節約」「27.5%」という結果が出た。
どうやら、生成AIを活用すると業務効率化に多大な影響があることが見受けられる。
つぎに、ChatGPTの業務への活用において課題だと感じることを聞いてみると、「誤情報の提供」は「45.0%」、「ユーザーとのコミュニケーションの不一致」は「44.0%」、「セキュリティとプライバシーの懸念」は「41.3%」だった。「誤情報の氾濫」や「プライバシーへの問題」は今後もついてまわるかもしれない。
最後に、今後もマーケティング業務にChatGPTを使っていきたいか聞くと、「非常にそう思う」が「43.1%」、「少しそう思う」が「45.0%」となり、9割近くの人が便利に感じていることがわかった。
以上の調査結果に対して、同社ではこのようにコメントしている。
「マーケティング担当者が、データ分析をはじめとするあらゆる業務においてChatGPTを活用しており、今後も活用していく意向であることが分かりました。
時に誤った情報が提供されることも前提として積極的に活用されていることが多く、ChatGPTは、一度使い始めたら誰もが使い続けたいと思うほど、実務者が成果や効果を実感できるツールだと言えるのではないでしょうか」