乱立状態の世界の商用車市場で、生き残りをかけて
今回の日野と三菱ふそうの経営統合は、両社が国内だけでなく、世界の商用車市場で生き残るためなのは言うまでもない。
2020年のトラックの世界シェアは、中国の東風汽車が1.59%で首位。ダイムラートラックが1.3%で2位、インドのタタ自動車が1.26%で3位、中国の中国重型汽車が1.01%で4位となり、日本勢はいすゞが0.95%で5位、日野が0.91%で6位となっている。
世界のトラック業界は乗用車と異なり、上位メーカーでも市場シェアが驚くほど低く、各国メーカーの乱立状態にある。そのなかで、ご多分に漏れず、長年首位だったドイツのダイムラートラックを抜き、首位となった東風汽車に代表されるように中国メーカーの台頭が目立つ。
海外メーカーではボルボ、独フォルクスワーゲングループのトレイトン、マン、スカニアなどが有名だ。いずれも欧州では数多く見かけるが、世界シェアは決して高くない。
その国際競争の中で、日本の商業車メーカーが生き残るには、トヨタといえども日野単独で戦うのは難しく、ダイムラートラック傘下の三菱ふそうと組むのが最善と判断したのだろう。