ムダな勉強は、人生の時間のムダである
400年続く「究極の勉強法」があります。その究極の勉強法とは「守破離」です。「守破離」は、茶人・千利休の歌「規矩(きく)作法 守り尽くして破るとも 離るるとても本を忘るな」をもとにしているといわれています。茶道、武道、伝統芸能などの世界で、師弟関係、学びの姿勢を示す重要な方法論として知られます。
「守」は、師についてその流儀を習い、その流儀を守って励むこと。「破」は、師の流儀を極めた後に他流を研究すること。「離」は、自己の研究を集大成し、独自の境地を開いて一流派を編み出すことです。基本を習得し、他の方法やいろいろなパターンを試すことで、最後に「自分流」を確立します。
多くの人はステップを踏まないで学ぼうとしています。自己流ではたどり着けない境地といえます。このときにやってしまうのが、本書のテーマでもある「完璧主義」です。実行が最も大切ですが、完璧な計画やマイルストーンを描くことに腐心してしまうのです。そして、「完璧」な計画を描くことに疲れ切ってしまい、行動に移せなくなります。
試行錯誤をし、自己流のスタイルを確立したつもりになっていても、基本がなっていないので、上達もしないし成果もあがりません。それは時間のムダだったのです。
本書は、受験生など勉強をしている人に向けて書かれていますが、私はキャリアアップに勤しむビジネスパーソンにこそ読んでもらいたいと考えています。勉強の成果は他人が評価をするものです。その結果が、次のステージへつながります。人間が持つ知性の可能性を見つめ、人生を豊かにする勉強法を知りたい方におススメします。(尾藤克之)