【2024年卒就活生】6月1日で早くも内定率8割! 過去最速ペースだが内定辞退者も多い! あきらめず「自分らしく」働ける企業求めよう

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   2024年春卒業する大学生や大学院生を対象とした企業の採用選考が2023年6月1日に「解禁」されたばかりというのに、その6月1日時点で内定率が8割に達していることがわかった。

   リクルートの就職・採用関連の研究機関「就職みらい研究所」(東京都千代田区)が2023年6月8日に発表した、2024年卒大学生・大学院生が対象の「就職プロセス調査(2024年卒)『2023年6月1日時点 内定状況』」によると、6月1日時点で早くも内定率は79.6%、進路確定率も58.6%と調査開始以来、最速のペースで進んでいる。

   ただし、内定辞退者も増えているから、まだまだチャンスは残っている。

内定者、ダントツに高い情報・通信、次いで製造、サービス業

   調査によると、就職内定率(大学院生を除く)の79.6%は、同じ時点の昨年(2023年卒対象)の73.1%を6.5ポイントも上回る早いペースだ【図表1】。

(図表1)就職内定率(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表1)就職内定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

   これは、現行の「6月解禁」の採用活動日程になった7年前の「2017年卒」の調査を開始して以来、最高の内定率だ。「2017年卒」の5月1日時点の内定率は51.3%だったから、1.6倍の高さだ。

   内定率を文理別で見ると、「文系」が78.3%(前年比プラス9.4ポイント)、「理系」が82.6%(同プラス0.1ポイント)。特に「文系」が5月1日時点から7.7ポイト増加したことが目立つ。

   男女別では、男性82.3%(同プラス8.9ポイント)のほうが女性76.6%(同プラス3.8ポイント)より高い。5月1日時点では差はもっと少なかったから、ここにきて男性の追い込みが目につく。女性陣の踏ん張りに期待したい。

   内定取得先の業種をみると、情報・通信業が29.5%と、ダントツに高いことが特徴だ。日本政府が「ChatGPT」など生成AI(人工知能)の開発推進を決めたことに表れているように、ITスキルを持つ人材は世界的に奪い合いが激しく、優秀な学生は早くから海外から誘いの手が伸びるため、IT系企業の選考が早く進むようだ。

   次いで、コロナが落ち着いたことで企業活動が活発化した製造業(機械以外、16.4%)、サービス業(14.9%)、機械器具製造業(14.2%)、金融保険業(11.8%)などが上位に並んだ【図表2】。

(図表2)内定取得先企業の業種(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表2)内定取得先企業の業種(リクルート就職みらい研究所の作成)

   内定を取得した企業数をみると、平均2.32社で、前年の2.29社より増えている。内定取得者のうち2社以上内定を取得した学生の割合は61.1%で、前年の58.9%よりやや高い【図表3】。

(図表3)内定取得先企業数(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表3)内定取得先企業数(リクルート就職みらい研究所の作成)

内定取得者の3割以上、まだ就活を続けている

   さらに、最速のペースを反映して、進路確定率も6割近い58.6%(同プラス3.5ポイント)と高い水準に達している【図表4】。

(図表4)進路確定率(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表4)進路確定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

   その一方で、昨年以上に内定辞退企業数が多いことも、今年の特徴だ。早くも2社以上を辞退した人が27.7%もいるのだ。内定辞退率は5月1日時点から7.5ポイント増加し、53.1%(昨年比プラス2.0ポイント)と例年以上に高い。

   内定取得者の活動実施率も34.2%と、昨年(31.2%)より3.0ポイント高い。もっと自分に合った企業があるのではないか、と就活を続けている人が多いのだ。

   こうした結果から、特定の業種、特定の学生に内定が集中することなく、幅広く分け合う傾向が見られることが、昨年に続き今年の特徴のようだ。

   就職活動の具体的な活動内容を聞くと(複数回答可)、「エントリーシートなどの書類を提出した」(82.9%)、「適性検査や筆記試験を受けた」(81.9%)、「就職に関する情報を収集した」(81.4%)、「面接など対面で選考を受けた」(75.9%)、「Web上の面接を受けた」(75.4%)などが上位に並んだ【図表5】。

(図表5)4月末までの各活動実施状況(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表5)4月末までの各活動実施状況(リクルート就職みらい研究所の作成)

   もう、筆記試験や面接試験など、具体的な選考段階まで進んだ学生が非常に多いことがうかがえる。

企業の追加採用活動を狙い、自分の夢をかなえよう

面接にのぞむ学生たち(写真はイメージ)
面接にのぞむ学生たち(写真はイメージ)

   就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏はこうコメントしている。

「6月1日時点の大学生(大学院生除く)の就職内定率1は、79.6%(プラス6.5ポイント)2と、6月選考解禁となった2017年卒以降最も高くなりました。
全体の就職活動実施率は45.6%(マイナス1.5ポイント)で、内定取得者では34.2%と、内定取得後も活動を継続している学生が3割を超えます。また、内定取得者のうち2社以上内定を保有している割合は20.7%でした。このことから、今後、内定辞退が増えることが予想されます。
内定辞退が想定よりも多かった企業は、採用予定数確保のため、追加の説明会開催・募集など、採用活動を継続することも予想されます。
就職活動を継続している学生の皆さんは、興味・関心のある企業の採用動向を確認しつつ、納得できる進路決定に向けて、活動を進めていきましょう」

   次のチャンスが待っている。焦らず、粘り強く、自分らしく働ける職場を目指して就職活動を進めていこうと励ました。

   調査は、2023年6月1日~5日、2024年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生4567人(大学生3574人・大学院生993人)にアンケートした。(福田和郎)

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