世界で実証実験が行われ、日本でも一部で導入の動きのある週休3日制。あなたは賛成? それとも反対?
ライボ(東京都渋谷区)が運営する、は就職・転職やキャリア全般に関する研究や各種調査を行うJob総研は2023年6月6日に「2023年 週休3日制の意識調査」の結果を発表した。
調査結果によると、条件なしの週休3日制の導入には「賛成」が9割を超えたが、減給や一日の労働時間増などの条件付きの週休3日制には賛否が分かれる結果となった。
また、役職別の集計を見ると、部長クラスの減給する週休3日制には賛成者が多かった。主任クラスは、1日の労働時間が増えたとしても週休3日制の導入を望んでいるなど、それぞれの立場で特色のある結果が出た。
収入の減る週休3日制の導入...「反対」7割超 「プライベート時間が増えても、年収が下がるようでは暮らしがなりたたない」
この調査は2023年5月17日から18日まで、JobQ(ジョブキュー)に登録している仕事をしている社会人589人を対象にインターネット調査を行った。なお、全国の男女の20~50代で役職別で集計した。
はじめに、回答者の現在の週休を聞いてみると、最多は「週休2日」が「80.8%」だった。次いで「週休4日以上」が「9.1%」、「週休3日」が「5.9%」、「休みなし(0日)」が「1.0%」となった。
つぎに、収入や労働時間の調整のない、無条件での週休3日制の賛否を聞いてみると、「とても賛成」が「44.8%」、「賛成」が「19.4%」、「どちらかといえば賛成」が「28.1%」であわせて「92.3%」がポジティブな反応を取った。
続いて、週休3日制で収入が減る場合の賛否を聞いてみると、「とても反対」(25.3%)、「反対」(23.1%)、「どちらかといえば反対」(21.9%)を合算した「70.3%」がネガティブな反応を取った。賛成派を合わせると「29.7%」となった。
役職別の集計を見ると、一般社員から課長クラスまでは「反対」が7割以上を占める一方、「部長クラス」でのみ「賛成」が「69.2%」となり、対照的な結果になった。
では、週休3日制の導入で一日の労働時間が増える場合はどうだろうか?
「とても賛成」(7.3%)、「賛成」(19.0%)、「どちらかといえば賛成」(34.3%)を合わせると、60.6%となった。ネガティブな反応は「とても反対」(11.9%)、「反対」(10.9%)、「どちらかといえば反対」(16.6%)を合算すると「39.4%」という結果になった。
役職別の集計を見ると、「賛成」に最も多く回答したのは「主任クラス」で「67.3%」だった。次いで「部長クラス」(61.6%)、「一般社員」(60.3%)、「課長クラス」(55.0%)という結果になった。
賛成と反対の理由をそれぞれ聞いてみると、
「賛成」からは
「プライベートを充実させたいから」(73.7%)
「休みを増やして心身ともに余裕を持たせたいから」(67.1%)
「自由時間の増加が見込めるから」(56.6%)
となった。
「反対」からは
「業務が停滞する可能性があるから」(66.7%)
「同僚や上司への負担が増加する恐れがあるから」(33.3%)
「人手を確保するために増員が必要になるから」(28.9%)
だった。
週休3日制と生産性・意欲の関係は? 生産性高まる78.6%、意欲高まる88.5%
仕事の生産性との関連を聞いてみると、「とても影響する」が「14.9%」、「影響する」が「30.9%」、「どちらかといえば影響する」が「34.3%」をあわせて「80.1%」が影響があると回答した。
また、意欲への影響については「とても高まる」(12.7%)、「高まる」(31.6%)、「どちらかといえば高まる」(34.3%)をあわせて「78.6%」が「意欲が上がる」と回答をしました。
週休3日制に対する自由回答を見てみると、
・条件付きの週休3日制に魅力を感じないし生産性は上がらないと思う
・プライベート時間が増えても、年収が下がるようでは暮らしがなりたたない
・制度自体は良いと思うけど世界に対する競争力低下に繋がらないかが不安
・少子高齢で労働人口が減っていく中で、生産性向上の構築は重要だと思う
・人手不足の業界では週休3日は難しそうな印象はあるので、業界や職種による
などの意見が上がっている。
最後に、同社の「Job総研室長」である堀雅一氏は、以下のように結果をまとめている。
「週休3日制が仕事の生産性に与える影響として、78.6%が『生産性が上がる』と回答し、88.5%が『仕事の意欲も上がる』と回答していることから、週休3日制は働く社会人にとってポジティブな影響を与えることが推測できます。
今回の調査では実際に生産性が上がるか否かではなく、仕事への向き合い方やモチベーションに対して良い影響が出ることがわかる結果になりました。
しかし一方で収入面や1日の労働時間など条件付きとなる場合は、喜んで賛成と言うわけにはいかない傾向が見られ、今後日本企業で週休3日制が普及していくか否かはこの「条件付き」が鍵となり、収入と労働時間と休みのバランスが重要になることが推測できる」