クルマの運転免許保有者、平均年齢は50.5歳...今後ますます高齢化でどう対応? 「サポカー限定免許」導入から1年も、メリット感じづらく...

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「サポカー限定免許」の切り替え効果は限定的?

   2022年5月からは、「サポカー限定免許」への切り替えが始まった。自動ブレーキや踏み間違い時の加速抑制装置が搭載された安全運転サポート車(サポカー)に限定して運転できる免許証だ。

   ただ、2022年5月から12月までに、サポカー限定免許を取得したのは14人にとどまった。村松氏は利用が広がらない理由を、こう指摘した。

「サポカー限定免許で使用できる車種が少なく、免許を切り替える際にはクルマの買い替えが必要となる人が多いことや、現在のところ、サポカー限定免許では対象車両以外の運転は認められず、運転技能検査などの合否基準は変わらないとされていることで、切り替えるメリットが感じにくいのかもしれない」

   サポカー限定免許への切り替え「効果」は今のところ限定的なようだが、村松氏は

「日本は諸外国と比べて、圧倒的に歩行中の死亡事故が多いため、運転する人の技術の向上や、クルマに搭載する技術に頼らざるを得ないと考えられる」

   と、衝突被害軽減ブレーキや歩行者検知機能付きの衝突回避支援システムなどのサポカー技術はもちろん、クルマの自動運転技術などに期待を寄せている。

   また、レポートによると、認知機能検査は「認知症のおそれがある」と判定された人の6割が免許の更新を断念しているとから、検査が「免許返納を考える重要な機会にもなっている」と、指摘。村松氏は、

「しかし、逆に言えば4割は断念していない。したがって、認知機能や身体機能の低下を高齢者自身が認識できるような機会を増やすことや、検査対象者の選定、評価基準の継続的な見直しに期待したい」

   としている。

   公共交通などの社会インフラの整備とともに、クルマの予防安全機能のレベルアップと、高齢者向けの認知機能や運動機能の検査機会とその内容の、双方のレベルアップが「両輪」となって、うまく回り出すことが必要なようだ。

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