「AIのパクリでは、自分のオリジナリティーを出せない」
一方、「使いたくない」という学生からはこんな意見が――。
「AIによる分析も手段の1つだと思うが、やはり人と話すことで心が整理されたり、癒されたりすることもあり、また、人と話す練習が面接で活かされると考えたため、メインとして使いたいとは思えなかった」(理系女子)
「一度、情報を入手したいと思い利用したが、その情報が間違っており、自分で調べて情報収集するのが一番確実だと思った」(文系女子)
「エントリーシートの下書きに、ChatGPTを使用した。いくつかのキーワードと条件を与えて生成したところ、案外筋が通ったものが出来上がった。しかし、完璧に自分の伝えたいことが文章に反映されているかというと、そうではない。自分の頭で考え、自分の手でキーボードを打ち込むほうが、結果的に効率的であると考える」(文系男子)
「自分の考えたことを自分の言葉で述べることが大事なので、AIのような第三者が考えたものをパクることは、ほかの就職活動者との違いが出てこないおそれがある」(理系男子)
「生成AIは、自分の経験や考えを完全に反映できるわけではなく、オリジナリティーに書けてしまうデメリットが予想されます。どこの企業でも当てはまる『ありきたりな履歴書』ばかり作られることを懸念します。だから、選考に関わらない場面で使ったほうが無難だと思います」(理系男子)
といった意見が寄せられた。
「使いたい」という学生も、「使いたくない」という学生も、それぞれ就職活動という人生の岐路のさなかに、生成AIの登場というビッグウェーブを前に、戸惑っている様子がうかがえる。
調査は2023年5月25日~31日、2024年3月卒業見込みの大学生、大学院生5062人(文系男子1038人、同女子2071人、理系男子1009人、同女子944人)にインターネットを通じてアンケートを行なった。(福田和郎)