過剰な値引きに歯止めへの期待も...通信料で儲けて、端末は安く売る構造は変わらない?
今回の規制強化で、端末自体の値引きに一定の歯止めをかけることになるが、実際には、どの価格水準が妥当か、なかなか判断しにくい。家電の「バッタ屋」ではないが、格安仕入れなどは常にあり、値引き規制の実効が担保される保証はない。
なにより、携帯の販売を担う販売代理店の経営は、キャリアが他社からの回線乗り換えなど契約獲得に応じて支払う販売奨励金に依存しているという問題がある。端末の値下げの原資も奨励金だ。つまり、携帯事業全体としては、通信料で儲けて端末は原価割れで売るという実態がある。
ある業界関係者は「この構造にメスを入れない限り、公正な競争は実現できない」と指摘する。そんな日は、いつくるのだろうか。(ジャーナリスト 白井俊郎)