日本銀行の6月政策決定会合が、潮目の転換点になる?
同じくヤフーニュースコメント欄では、時事通信社解説委員の窪園博俊記者も、「植田日銀が緩和姿勢を堅持していることも追い風となっています」としたうえで、
「このうち、金融政策に関しては、円安が進み過ぎると、植田日銀も緩和修正を余儀なくされる恐れがあることです。先週前半、財務省・金融庁・日銀は『三者会合』を開催し、最近の円安をけん制しました。仮に円安がさらに進むと、円安をもたらす大規模緩和の修正観測が浮上しやすく、株高の修正要因となる可能性があることには注意が必要です」
と、日本銀行の動向がカギを握るとした。
今後の動向として、その日本銀行の政策修正の兆候と円高の流れに注意せよ、と指摘するのは第一生命経済研究所主席エコノミストの藤代宏一氏だ。
藤代氏はリポート「経済の舞台裏:日本株快進撃 円高に注意 潮目変化は金融政策決定会合?」(6月7日付)のなかで、日本株快進撃の背景に「米国経済の下振れリスク後退」があると指摘する。
「米国の5月雇用統計が投資家に安心感をもたらす結果であった。景気後退を回避しつつインフレが終息に向かうという最良の展開に期待が持てるようになった。言わずもがな、これは日本株の支援材料となる。これらを踏まえ、筆者(=藤代氏)は日経平均の先行き見通しを3万1500円へと引き上げる」
そんななか、日本株の下押し要因として留意したいのが円安の加速だ。ドル円相場と日米相対株価のグラフ【図表1】を示しながら、こう指摘する。
「USD/JPY(ドル円レート)が140を超えてくると、日銀が緩和修正を検討あるいは実施に踏み切ることで、USD/JPYが反転下落する可能性は考えられる。6月の金融政策決定会合では金融政策の現状維持を予想するが、将来の緩和修正を示唆するなど円買いを促すような情報発信があれば、相場の潮目が変化するのではないか」