スーパー事業の収益力「回復」がカギに 33%を占める外国人株主を納得させられるか
もっとも、井坂氏ら会社側取締役への賛成率70%前後という数字は、どうみるべきか。
前年は軒並み90%を超えていたので、大きく落ち込んだのは確かだ。ちなみに、バリューアクト自体のセブン&アイ株式の保有比率は約2%(2月末時点)と決して高くないが、株主に占める外国人の比率は33%とほぼ3分に1を占める。
米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)などは5月上旬、会社側の選任議案に反対することを推奨していた。
外国人株主=バリューアクト支持という単純な構図ではないだろうが、井坂氏らへの「不信任」が外国人株主の比率に近いという結果だった。
ひとまず、現在の経営方針が支持されたわけだが、スーパー事業の収益力を回復させ、「お荷物」を脱却できるかがカギになる。今後、期待通りの実績を上げられなければ、外国ファンド以外の株主も離反する可能性は否定できない。(ジャーナリスト 済田経夫)