「物言う株主」と対立のセブン&アイHD、社長再任の「会社提案」で可決 だが、批判票は約3割...両社の駆け引きまだ続く?

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好調なコンビニ事業に経営資源の集中求めるバリューアクト スーパー事業など売却の是非で「対立」

   会社側とファンドの対立点は、「コングロマリット(複合企業体)ディスカウント」を巡る考え方の違いだ。

   J-CAST 会社ウォッチが「セブン&アイHD、ヨーカドー店舗2割削減&『祖業』衣料品は『完全撤退』 だが、必ずしも『スーパー事業』の見切りではない理由」(2023年3月17日付)などで報じてきたように、具体的にはコンビニエンスストア事業に特化すべきか否か、つまりスーパー事業などの売却の是非だ。

   コングロマリットディスカウントとは、低収益の事業が足を引っ張り、会社全体の価値が低く評価される状態を指す。

   バリューアクト・キャピタルは、セブン&アイがスーパーや百貨店などの事業低迷で「コングロマリットディスカウントに陥っている、と指摘してきた。ヨーカ堂などを切り離し、好調なコンビニ、セブン―イレブンに経営資源を集中するよう求めてきた。

   これに対して会社側は、百貨店事業「そごう・西武」の売却を決定。

   スーパーについては、「イトーヨーカドー」の国内店舗を2026年2月末までに2割超削減するとともに、自社で紳士、婦人、子供服売り場を運営するのを止め、「祖業」である衣料品からは撤退するなどの改革は打ち出している。

   コンビニの稼ぎをスーパーが侵食する構図を打破する必要は、経営陣も十分に認識しているわけだ。

   ただ、PB商品「セブンプレミアム」の開発には、豊富な品ぞろえで消費者ニーズを把握するなど、幅広い顧客を持つスーパーのノウハウや購買力が欠かせない、と主張する。

   「セブンプレミアム」はコンビニの食品売上高の約4分の1を占め、他のコンビニに対し優位に立つ力の源泉だけに、スーパー事業の分離は拒否する姿勢を堅持している。

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