2025年卒(今年4月に大学3年生・大学院1年生以降)の就職活動から、職場体験などの一定の条件を満たすインターンシップ(就業体験)に参加した学生の情報を、採用選考に利用すること(採用直結型インターンシップ)が認められることになった。
これまでの就活ルールでは、学業がおろそかになりかねないなどの理由から、「採用直結型インターンシップ」は禁止されていた。しかし、ベンチャー企業や外資系企業などの日本経済団体連合会(経団連)に加入していない企業で、インターンシップの参加をもって採用(内定)を決めるなど、就活ルールが形がい化していた。
そうしたなか、総務の専門誌「月刊総務」を発行する月刊総務(東京都千代田区)が、全国の総務担当者を対象に「インターンシップについての調査」を実施。まだ、4割を超す総務担当者が「知らない」と答えていることがわかった。2023年5月30日の発表。
ルールの変更で、就活は事実上、大学3年生の夏季インターンシップからスタートしているといそう。インターンシップの重要度が増すのはもちろん、採用選考の早期化がさらに進むなど、企業と学生の双方に大きな影響を与えそうだ。
7割超が「賛成」も、「ますます大手企業に有利になる」と懸念の声
調査によると、2025年卒の大学生から就活ルールが変更になり、「インターンシップを採用に直結できるようになることを知っているか」(n=74)と聞いた。その結果、「知っている」と答えた総務担当者は55.4%、「知らない」と答えた人は44.6%となり、4割を超す総務担当者が25年卒の学生から、「採用直結型インターンシップ」がスタートすることを知らなかった。
また、「インターンシップの採用直結に賛成かどうか」(n=74)聞いたところ、「賛成」が74.3%、「反対」が25.7%という結果だった。
「賛成」の理由を聞くと、
「人となりがわかっているほうが採用しやすいと思うから」
「採用者にあった職種・環境の確認ができ、雇う側も必要な人材を確保できる」
「就職後の業務へのランディングがスムーズ」
「学生が当社のことを知って入社したいと思ってくれると喜ばしい」
といった声が寄せられた。
その一方で、「反対」する理由では、
「ますます大手企業有利の状況になり中小企業の採用が難しくなる」
「大手に優秀な学生を早期に確保されて厳しくなる」
「企業間での囲い込みが、一層激しくなる」
「学生の本分である学業に多大な影響を与えかねない」
との懸念の声があった。