リーダーの役割は「指導者」ではなく、「ファシリテーター」
そこで求められるリーダーの役割は「指導者」ではなく、「ファシリテーター」だという。チームの力を最大化すること。そのためにやるべきことは「メンバーにとって安全・安心な環境をつくること」。来たくなる場所にすること、オンライン会議に出たくなるようにすること。次に、言いたいことが言い合えること。
それを確認するには、会議でいきなり本題に入らず、「チェックイン」といって1人ひとりに「今の気分」を聞いて、表情を確認してみるといいそうだ。
いつもつまらなそうにしていたり、今の気分を話すことに抵抗があったりするような表情のメンバーがいたら、おそらくチームに対して心理的安全性を感じていない。
言いたいことが言い合える状況になっているかは、会議中に出てきた意見に対して「反対意見はないか」と聞きつつ、会議後の反応にも意識を向けることが必要だ。
安心・安全な環境がつくられたら、そのうえで、「チームメンバー1人ひとりの才能と情熱を解き放つ」ことを目指す。
ただし、有事においては、「リーダーについてこい」というリーダーシップが求められる。伊藤さんが文房具・オフィス用品の製造流通を行うプラスに在籍していた2011年、東日本大震災が起きたときに、「有事のリーダーシップ」が必要だったという。
一番困っているのは東北のオフィスだから、何をさしおいても東北の物流復旧の優先度を一番に考えることにした。すばやく、力強く意思決定するには、自分が大事にしている想い、つまり「志」に従うのがいいと説いている。