どれくらいの人が、どんな副業を、何のためにしているのか? 労働政策研究・研修機構の大規模調査(鷲尾香一)

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

副業で得ている1か月の収入額は?

   副業で得ている1か月の収入額では、「5万円以上10万円未満」が30.0%で最も高い。次いで、「10万円以上15万円未満」が13.2%、「3万円以上4万円未満」が10.5%、「2万円以上3万円未満」が10.2%となっている。

   ただ、非雇用者では25万円以上が13.7%と高い。これは、本業は非雇用者で副業が正社員という組み合わせの36.4%が25万円以上の収入を得ているためだ。

   最も注目すべきは、副業の理由(複数回答)だ。

   全体では、「収入を増やしたいから」が54.5%、「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」が38.2%と高い割合となっている。特に「非正社員」で「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」の割合が43.9%と高い。(グラフ4)

   就業形態の組み合わせでも、本業が正社員で副業が非正社員では「収入を増やしたいから」が62.5%で最も多い。

   それに対して、本業が非雇用者で副業が非正社員では「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」が52.3%と最も多く、本業が非正社員で副業も非正社員でも47.4%と高い割合を示している。

   このように調査結果を見ると、副業は「余暇の有効活用」や「豊かな生活水準」のためのものではなく、少なくとも、本業が非正社員や非雇用者にとっては、生活費を稼ぐために行われているという厳しい現実を垣間見ることができる。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
姉妹サイト