転職を考えるビジネスパーソンも多いと思うが、新しい転職先で長く続けるためには、周りからどんな支援が必要なのだろうか?
そんな疑問に答える調査がリクルート(東京都千代田区)の2023年5月30日に発表した転職者に聞いた転職後実態調査(転職後半年~1年の方対象)だ。調査によると転職先で「いきいきと働くことができている」人は「60.2%」で過半数を超えていることがわかった。
また、転職後にいきいきと働くための条件は「周囲からの期待」や「上司の業務支援」「同僚が転職者の持ち味を理解」などがある実態が明らかになった。
転職先でいきいき働いている人60.2% 満足している人63.5%
この調査は2023年3月2日から5日までの間、転職後半年から1年までの会社員の男女849人を対象にインターネット調査したもの。
はじめに、転職後に「いきいきと働けているか」について質問。「あてはまる」は「22.0%」、「ややあてはまる」は「38.2%」となった。合わせて「60.2%」の人が新しい職場で元気に働くことができていることがわかる。
つぎに、転職後の総合満足度について聞いた。「満足」(20.6%)、「どちらかというと満足」(42.9%)であわせて「63.5%」の方が転職後の状況に満足しているようだ。
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また、転職後の状況について、「周囲から期待されている」と思うかを質問した。その結果、「周囲から期待されている」に対して「あてはまる」と回答した方のうち、「転職後にいきいきと働けている」と回答した方は「86.8%」(あてはまる:54.2%、ややあてはまる:32.6%)になった。
「どちらかというとあてはまる」と回答した方のうち、「転職後にいきいきと働けている」と回答した方は「75.8%」(あてはまる:27.4%、ややあてはまる:48.4%)になった。
一方で、「周囲から期待されている」に対して「あてはまらない」と回答した人のうち、「転職後にいきいきと働けていない」と回答した方は79.1%(あてはまらない:59.7%、あまりあてはまらない:19.4%)になった。
他方で、「どちらかというとあてはまらない」と回答した方のうち、「転職後にいきいきと働けていない」と回答した人は「36.6%」(あてはまらない:11.0%、あまりあてはまらない:25.6%)になった。
引き続き、転職後の上司との関係性について質問。「上司は自分に対して適切な業務支援をしてくれる」に対して「あてはまる」と回答した人のうち、「転職後にいきいきと働けている」(あてはまる:47.2%、ややあてはまる:39.0%)と回答した方は「86.2%」。
「ややあてはまる」と回答した人のうち、「転職後にいきいきと働けている」(あてはまる:25.8%、ややあてはまる:52.6%)と回答した方は「78.4%」になった。
さらに、転職後の職場の同僚や一緒に仕事をする仲間との関係性について質問。「自分の持ち味を理解してくれている」に対して「あてはまる」と回答した人のうち、「転職後にいきいきと働けている」(あてはまる:47.4%、ややあてはまる:38.7%)と回答した方は「86.1%」。
「ややあてはまる」と回答した方のうち、「転職後にいきいきと働けている」(あてはまる:25.8%、ややあてはまる:50.3%)と回答した人は「76.1%」になった。
最後に、「周囲と協働できている実感がある」に対して「あてはまる」と回答した人のうち、「転職後にいきいきと働けている」(50.6%、ややあてはまる:35.4%)と回答した方は「86.0%」になった。
「ややあてはまる」と回答した方のうち、「転職後にいきいきと働けている」(あてはまる:22.9%、ややあてはまる:51.6%)と回答した人は「74.5%」となった。
今回の調査に対して、藤井薫HR統括編集長は次のように総括した。
「今回、転職者の転職後の声から、その実態と入社後の才能開花へのヒントを探りました。注目したいのは、転職後に『いきいきを実感』している層の多くが、入社後の職場で、『新たな仲間』として丁寧に迎え入れられていると実感していることです」
「会社単位の「働き方改革」から、職場単位の「働きかけ改革」へ。スキルを採って用いる『採用』企業と、新たな才能を職場の要に迎える『才要』企業。両社の人材求心力の差は、ますます広がると思います」