新設法人と解散法人を比較した街の「新陳代謝率」 1位は国分寺市、2位は大宮区、3位は成田市
さらに、2022年の新設法人数と倒産や休廃業・解散数を比較した「新陳代謝率」では、新設法人の割合が最も高いエリアは「東京都国分寺市」の1700.0%(新設法人17社、倒産、休廃業・解散1社)となった。
一方、逆に倒産、休廃業・解散数が新設法人数を上回るエリアは、「東京都東久留米市」と「東京都青梅市」、「神奈川県横浜市港南区」の3エリアのみとなる。
同社では、
「首都圏では、宅建業者を含め不動産業者数は増加傾向にあり、大半のエリアで新設法人数が倒産、休廃業・解散数を上回った
新設法人の割合が高いほど、経済活動が活発で不動産需要が高いエリアとみることができるが、その分だけ同業者間の競合は激しく、市場規模からみた過熱感の高まりから進出が難しいエリアになる可能性もある」
と説明している。
一方で、新設法人数を2022年と2019年で比較すると、最も増加率が高いエリアは「千葉県木更津市」の「250.0%」だった。
同社では
「東京湾アクアラインの開通で神奈川と東京中心部への利便性が高まったエリアで、住宅や商業施設などの開発が進んでいる。新設法人数は、2019年の4社から2020年8社→2021年12社→2022年14社と3年連続で増加している」
とコメントしている。
次いで、2位の「神奈川県横浜市栄区」が「233.3%」、3位の「神奈川県相模原市緑区」が「200.0%」で続く。東京23区では、「東京都文京区」が「30.5%」で24位に入った。
最後に、2023年とコロナ禍前の2020年(1月1日時点)の地価公示を比較した。地価上昇率は「埼玉県さいたま市大宮区」が「19.6%」で突出した。
理由について同社は、
「もともと埼玉県の商業の中心エリアだが、大宮駅周辺で大規模再開発が進行しており、さらに利便性が高まることが期待されている」
と指摘した。
次いで、2位が「千葉県浦安市」で「14.0%」、3位が「千葉県習志野市」で「11.5%」と続いていく。
東京23区では、14位に「東京都台東区」が「7.0%」、16位に「東京都港区」が「6.9%」でランクインした。都心部でも地価公示は上昇しているが、すでに高価格帯で推移しており、相対的に割安感のある埼玉県や千葉県エリアで上昇率が大きい傾向が見られたようだ。
同社は以下のように調査を総括している。
「郊外でも交通インフラの整備で利便性が飛躍的に高まったエリアは、活性度ランキングで上位にランクインしている。不動産価格の高止まりが続く中心部エリアに対し、開発余地を残す郊外エリアの活性度がどう変化するか、今後の動向が注目される」