たびかさなる食品の値上げ、さらに6月からは電気料金の値上げがはじまるなか、家計を預かる人にとっては厳しさが増すばかりだ。
そんななか、LENDEX(東京都渋谷区)が2023年5月31日に発表した「『値上げ』に関する調査」によると、値上げが生活に影響の出た人(かなり影響が出た、少し影響が出たの合算)は「83.3%」に上り、家計への打撃が大きいことがわかった。
「値上げ」生活に影響ある83.3% 支出を抑える方法とは?
この調査は2023年4月11日から12日にかけて20代から60代の男女1130人に「値上げ」に対する意識をインターネットで調べた。
調査背景として、北海道電力、東北電力、東京電力エナジーパートナー、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力の7つの電力会社で電気料金が値上げされるほか、それ以外でも昨今さまざまなモノが値上げされている中、消費者はその値上げに対してどのように思っているか調べたものとなる。
はじめに、値上げによって生活に影響が出たか聞いた。すると、「かなり影響が出た」が「40.8%」、「少し影響が出た」の「42.5%」をあわせると8割強の人の生活に影響があることがわかった。
8割強というデータは、2022年7月に行った調査と同程度影響があったようだ。ただ、今回は「かなり影響が出た」と回答した人が16.7ポイント高くなった。
具体的にどのような影響が出たか聞いてみると、
・お菓子や洗剤、家電値上がりし大変
・普段なら購入していた物を、今回は辞めておこうと見送ることがあった
・全体的な支出が増えたため、娯楽を抑えるようになった
・生活が苦しくなり電気代も上がり困る
・食料品の値上げにより、以前は毎日食べていた卵や野菜などの食べる回数を減らした。また、趣味の活動を止めた
などの回答が得られた。
続いて、「値上げに乗じて、お金の使い方など、意識的な変化はありましたか?」と聞いてみると、「かなり変わった」(26.3%)、「少し変わった」(47.8%)をあわせると「74.1%」の人の生活に変化があったようだ。
具体的な例をきいてみると、
・なるべく物を買わない、安いもので済ませる
・本当に必要かどうか考えてから購入するようになった
・安いものを意識して購入するようになりました
・セール品があればあまり考えないで買っていたが本当に必要なものか考えるようになった
・食費を減らすようにしている。ポイントが貯まる決済方法も活用している
と答えた。
引き続き、具体的な値上げに対する対策方法についてアンケートすると、1位は「ポイ活」(51.2%)、次いで「光熱費の見直し」(30.4%)、「特に何もしていない」(24.3%)、「家計簿をつけて家計管理をする」(22.8%)、「通信費の見直し」(15.8%)という順になった。
つぎに、「支出を抑えるために行っていることがあれば教えてください」と質問したところ、「外食を控える」が最多で「47.4%」、続いて「できるだけ安い物を買う」(46.4%)、「自炊をする」(40.7%)、「買い物は必要最低限に留める」(40.4%)、「セールや特売の時に買い物をする」(40.3%)という順位になった。
値上がりして困ったものは「生活必需品」「嗜好品」
一方で、「値上がりが続く中で、収入を今より増やす必要があると感じますか?」と聞いてみると、「かなり感じる」が「40.3%」、「少し感じる」が「40.6%」をあわせて「80.9%」の人が収入を増やす必要性を感じているらしい。
また、具体的な取組を聞くと、「特になし」が「47.3%」、「副業」を始めた人が「19.2%」、「投資」を行う人は「18.9%」、「昇給を狙う」が「12.6%」、「フリマアプリ」は「12.3%」という結果だった。
最後に「値上げになって困ったものランキング」を見てみよう。
トップ5は1位「生鮮食品(野菜・果物・肉・魚など」(69.5%)、2位は「ティッシュ類(ティッシュペーパー・トイレットペーパーなど)」(35.2%)、3位は「インスタント麺(カップ麺・インスタントラーメンなど)」(33.4%)、4位は「冷凍食品」(32.4%)、「乳飲料(牛乳・ヨーグルトなど)」(30.5%)という結果が出た。
この調査に対して、同社は以下のようにコメントしている。
「今回の調査で、値上げによる影響を感じている方は役8割でした。対策として、ポイ活をしている方は約半数に登りました。
一方、収入を増やすために行なっていることでは、約半数が何もできていないという現状も明らかになりました。
外食を控えたり、自炊をしたりと支出を抑える対策をしている人は多かったが、収入を増やす対策をしている人はまだまだ少ないと言えるでしょう。
相次ぐ値上げにより今に精一杯で、余裕がない方も多いかもしれません。
しかし、今だからこそ、経済状況を見直し、そして将来を考える良い機会ともいえるのではないでしょうか」