国内旅行に求めたいものは「温泉」「観光」「飲食」
つぎに、コロナ前の利用経験の有無で、各宿泊施設に対する今後の興味はどうか。その結果、コロナ前に利用したことのある施設では、「リゾートホテル」と「旅館」が今後の利用への興味が高く、ともに「85%」となった。「ラグジュアリーホテル」も「78%」に位置付け、これらの施設は、リピート意向が非常に高いということがわかる。
一方で、コロナ前に利用したことのない施設の場合でも「リゾートホテル」(39%)と「旅館」(34%)が上位を占めており、これまで利用していなかったという人からも、興味があるようだ。
引き続き、旅行に一緒に行きたい人のデータを、全体値と各世代で分けてみると、全体値では「家族・親族と一緒」が「75%」で最多となった。次いで「友人と一緒」が「27%」、「一人で」が「24%」という順になった。
世代別でミドル層の結果を見てみると、「1人で」は「24%」でコロナ流行前から2ポイントの上昇。「家族・親族と一緒」は「80%」で3ポイント上昇し、「友人と一緒」は「24%」で2ポイントの下降、「恋人と一緒」じゃ「13%」で2ポイントの減少という結果になった。
やはり、働き盛りのミドル世代においては、「家族・親族と一緒」が最多という結果となった。
最後の項目の「国内旅行に何を求めるか」を質問している。それによると、全体値で上位を占めたのは「温泉」(69%)、「観光」(69%)、「飲食」(66%)。となった。上昇幅で見てみると、最も意向が高まっているのは「絶景」で11ポイントの増加、「癒し」は9ポイントの増加、「自然」は8ポイントの増加、「非日常」も同率となった
同社は
「長く続いたコロナ禍で、絶景や自然に触れ、旅ならでの非日常を楽しみ、癒されたい、そのようなニーズがより高まっていることが分かります」
と説明する。
世代別のデータのミドル層に着目すると、「自然」、「絶景」、「癒し」、「温泉」がそれぞれ8から10ポイントほど増加している。このほか、「体験」(33%)や「学び」(13%)への意向も、シニア層以上に比べて高くなっている。
同社では今回の調査に対して、以下のように総括している。
「コロナ禍で大幅に落ち込んだ旅行需要ですが、現在は、コロナ前の水準まで回復しつつあります。
約3年間のコロナ禍で私たちの生活や価値観には様々な変化がありました。旅行に関しても、旅のスタイルや旅に求めることなど、人々の旅行に対する考え方に変化の兆しが見られ、新たなトレンドが生まれつつあるようです。
この調査では、旅館やリゾートホテル、ラグジュアリーホテル、グランピングなどへの興味がコロナ前の利用実態と比べ増えており、特にグランピングは、感染リスクを抑えつつ、自然の中で非日常を体験できる施設として注目されていることが分かりました。
また、観光をメインとしていた旅から、絶景、癒し、自然、非日常なども求めるスタイルにシフトしていること、一人旅や家族旅行といったニーズが増えている傾向も見られました」