コロナ流行期には三密を避けたキャンプが人気となったが、アフターコロナの旅行者はどんなレジャーに注目しているのだろう?
顧客満足度調査や消費者動向に関する調査を行うJ.D.パワージャパン(東京都港区)が発表した「コロナ前後の国内旅行に関するアンケート調査」(2023年4月25日発表)によると、今の旅行を考えている人の関心のある宿泊場所は「リゾートホテル」、「ラグジュアリーホテル」、「グランピング」である実態が明らかになった。
働き盛りのミドル層(35歳から44歳)のデータをみると、コロナ前後で18ポイント上昇したのは「グランピング」(22%)となり、関心のある旅行コンテンツは「自然」、「絶景」、「癒し」、「温泉」であることがわかった。
グランピングは、コロナ流行前の利用実態3%→今後の興味17%!
この調査は2022年12月に行われたもので、20歳から69歳までの男女5400人にインターネット調査を行ったもの。
はじめに、コロナウイルス流行前に利用していた宿泊施設と、今後どのような宿泊施設の利用に興味があるか聞くと、もっとも支持されたのは「旅館」(60%)で7ポイントの増加となった。
また、流行前と2022年12月調査との比較で、伸び率が高かったのは「リゾートホテル」(56%)で16ポイントの伸び、「ラグジュアリーホテル」(27%)も15ポイントの増加、運営側に豪華なキャンプ道具や食事を用意してもらう「グランピング」(17%)も14ポイントの増加となった。
同社では
「注目すべきは『グランピング』です。コロナ流行前の利用実態『3%』から今後の興味『17%』の差はプラス14ptとなっており、注目の高さがうかがえる結果となりました。
旅行の自粛モードがようやく解禁された今、ワンランク上の非日常を味わえる施設への興味や関心が高まっている傾向と言えそうです」
と指摘する。
続いて、若年層を20歳から34歳、ミドル層を35歳から44歳、プレシニア層を45歳から59歳、シニア層を60歳から69歳と設定して各年齢層での興味を分析してみよう。
表をみるとわかるように、リゾートホテルやラグジュアリーホテルはどの世代でも上位につけている。一方で、ミドル層の1位は「グランピング」(22%)となっており、コロナ流行前と比較すると18ポイントの上昇となった。若年層においても「グランピング」は「6%」から「23%」に18ポイント上昇している。
若年層やミドル層、プレシニア層における「グランピング」の急上昇について同社では、
「アウトドアとラグジュアリーのどちらの雰囲気も味わえる、自然に囲まれながらも不自由なく快適に過ごせる、といったイメージのあるグランピングが人気を集めていることがうかがえます。加えて、コロナ禍で感染リスクを避けたいといったニーズがあったことも後押ししていると考えられます」
と指摘している。