あなたは、これからの人生で何を引き寄せたいですか? ずっとやりたかったこと。気になっていたこと。無理かなとは思うけど、密かに夢見ていることはありますか? それをぜひ思い出して、考えはじめてください。
『新訳 お金と引き寄せの法則 豊かさ、健康と幸せを引き寄せる』(エスター・ヒックス、ジェリー・ヒックス著, 本田健 訳)SBクリエイティブ
人生は公平ではないという事実
世間で言われる「成功のために、するべきこと」をすべてやってきたのに、なかなか成功しなかった。しっかり学び、しかるべき場所で、きちんとした言動を心がけて、いっぱい努力してきたのに、全然状況が改善しているようには見えない。
成功という概念を知った最初の頃は、成功のルールを決めてきた、周りの期待に沿うことで、満足感を得てきたことでしょう。あなたの周りの先生、親やメンターたちは、自信と説得力をもって、成功のルールを示しているように見えたでしょう。
そう、「常に時間通りに行動しなさい、ベストを尽くしなさい、一生懸命働きなさい、正直でありなさい、偉大になれるよう励みなさい、もっと努力しなさい、痛みなくして得るものなし、そして何よりも大事なのは、絶対にあきらめないこと......」だと。
けれど、時間が経つにつれ、そんなルールで生きている人たちの評価を得ても、以前のような満足感や意義も感じられなくなったかもしれません。なぜなら、どんなに頑張って彼らの成功法則を実践しても、約束されたはずの結果が得られなかったからです。
さらに、ちょっと冷静になってみると、そのルールに従う彼ら自身も、実はあまり成功していないことに気づき、失望したからです。もっと残念なのは、自分が愚直に学び、取り組んできた一般的な方法とは別のやり方で成功を手にしている人たち(明らかにそうしたルールに従っていない)に出会うことでは?
私は何を望んでいるんだろう?
あなたは、健康に気をつけて、生き生きとした毎日を過ごしていたとします。ある日、友人と食事をしているときに、友人が「自分の病気のこと」を話し出しました。きっと、あなたは話を聞いているうちに、居心地が悪く落ち着かない気分になっているはずです。
このような時、「ネガティブな感情が湧くのは、望んでいないことを友人が話しているから」ではありません。望みに反する思い込みをもっているときも、ネガティブな感情がそれを教えてくれます。友人との会話によって『病気になったらどうしよう』と心の奥で感じていた不安が、ただ単に引き出されたにすぎないのです。
ネガティブな感情は、本当の望みに反することを考えていたことを知らせてくれます。『このネガティブな感情が湧いたとき、何を考えていたんだろう』とか、『わたしは何を望んでいるんだろう』と自分に問いかけてみましょう。そのとき、『引き寄せたい望みと正反対のこと』に意識を向けていたことに気づくと思います。
・健康でいたい 願望←→不安 病気に罹患したくない
・独立をしたい 願望←→不安 失敗するのが怖い
・お金が欲しい 願望←→不安 お金のない生活をしたくない
多くの場合、「願望」ではなく、「不安」に焦点が当たりやすくなります。そして、ネガティブに焦点を合わせれば、ネガティブが引き寄せられます。いま、望まない経験をしているなら、望まない何かに意識が向けられていないかチェックしたほうがいいのです。
頑張って働いている人が、少ししか受け取れてないのに、たいして頑張っていない人のほうがたくさん得ているのはなぜ? 自分は高い学費をかけて学歴も得たのに、まったく割に合っていない。なぜ、努力は報われないのだろう。ほとんどの人が生きていくのに精一杯で、大金持ちになれる人がすごく少ないのはなぜ? 何か見落としているのか......。
「引き寄せの法則」は、これまでに多くの人の人生に示唆をあたえています。いまの生き方に迷っていたら読みたい一冊です。(尾藤克之)