今後、どんなことにAIを利用したい? 「仕事」が6割 ほかに「転職活動」5割強、「プライベート」4割
一方で、利用したことがない人に「これから使ってみたいと思うか」を聞いたところ、「使ってみたい」は「66.7%」を占めた。
あわせて、目的も聞いたところ、「仕事」(62.8%)、「プライベート」(53.3%)、「転職活動」(42.8%)、「その他」(3.9%)という結果になった。
「仕事」と回答した人の自由回答欄には、
・報告書、レポートの作成」(40代・男性・営業)
・ビジネス文書、提案書、見積書の作成(40代・男性・運輸交通)
・文章のたたき台作成(40代・女性・クリエイター)
・メール対応や応募書類対応(40代・男性・製造)
・ルーチン的な事務仕事についての補助(40代・男性・公務員)
という意見が上がり、メール文章・プレゼン資料・議事録・プレスリリースなど、多岐にわたる文章や書類の作成に利用したいという意見が多く寄せられた。
他方で、「転職活動」と答えた人の自由回答の意見を見ると、
・疑問点の調べ物、情報収集(30代・男性・クリエイター)
・自身の求めている企業の選定(20代・男性・建築土木)
・40代で狭き門なのでアドバイスをもらいたい(40代・男性・営業)
・自己分析、転居先の選定(30代・男性・その他)
などが挙がっている。
採用側のAI利用の印象「変わらない」が75.5%、「印象悪い」22.3% 「使っていてもわからない」という意見も...
では、選考をする企業は応募書類にChatGPTを使うことをどう考えているのだろう?
同じく、ワークポートは「転職活動におけるChatGPT利用の印象」のアンケート調査を実施。従業員数5000人までの企業の人事担当者139人に、2023年5月9日から16日までインターネット調査した。
結果をみると、「もし候補者がChatGPTを使って選考書類を作成していた場合、採用意欲に影響はあるか」と尋ねたところ、採用担当者の「75.5%」が「変わらない」と回答。基本的に採用意欲への影響はないとする回答が大多数を占めた。
しかし、「採用意欲が下がる」との回答は「22.3%」に上った。「採用意欲が上がる」との回答は「2.2%」に留まったが、どうやら企業の人事担当者の多くは働き手がChatGPTを転職活動に利用することに対して、そこまで強い抵抗感などを抱いていないようだ。
「変わらない」と答えた人にその理由を聞いてみると、
・当人が記載する・しない問わず、履歴書などには大げさな記載もあり、それも含めて面接を通じて確認するから(機械メーカー)
・ChatGPTを使っているとバレバレな履歴書であればNGだが、うまく取り入れているならばむしろ能力が高いとも判断できる。素晴らしい履歴書、職務経歴書でも、嘘であれば面接時にボロが出るから(サービス・アミューズメント)
・文章力は関係なく、職歴や実績をみているため(コンサルティング・調査・士業)
・状況に応じて最適なツールを選択することに違和感はないため(教育・保育)
などが挙がった。
次いで、「採用意欲が下がる」と答えた人事担当者に理由を聞いたところ、
・本人の考えではなく模範的な意見という印象になるため(製造業)
・自分の言葉ではないため弊社への応募意欲を疑うから(ゲーム開発)
などの意見が多く挙がった。
同社では、
「候補者本人の考えや言葉でないことが良くない印象、ひいては採用意欲の低下につながっているようすがうかがえます」
としている。
最後に、「採用意欲が下がる」と答えた人事担当者に、「選考過程において候補者のChatGPT利用を禁止する予定はあるか」聞いたところ、「禁止しない」が「71.0%」、「禁止する(禁止を検討する)」が「29.0%」となった。
ChatGPTの転職利用に良くない印象を持ち、利用禁止まで視野に入れている企業も3割程度はあるものの、大半の企業は利用を受け入れる方針のようだ。
調査の総括として同社は次のようにコメントしている。
「国内でもさまざまなシーンで利用が広がっているChatGPT。現状では転職活動において候補者がChatGPTを利用することに関してはさほど抵抗感なく、利用を見分けることが困難であるということも相まって、利用を許容する姿勢を持つ企業が多いことがわかりました」
「すでに転職活動において文章や書類の作成・添削にChatGPTを利用している人や今後積極的に利用したいとする働き手が少なくないという結果でしたが、今回の調査の結果を踏まえると、今後も便利なツールを取り入れようとする転職希望者は増えていく可能性が大いにあると言えそうです」
「AIやITの目まぐるしい発達によって、便利なツールが日々輩出されている時代だからこそ、人も企業もそれらのツールをどのように取り入れ、活用していくのか、その都度慎重に模索していく必要があるのではないでしょうか」