今後の経営課題で一番重視されるのは、やっぱり...
PR各社に「広報・PR業務を進めるうえで、今後の重点課題や経営課題」(複数回答)を聞くと、「人材育成・確保」と答えた会社が72%と最多。前回調査(70%)から2ポイント増えた。
次いで、「新しい広報・PR手法の開発」が58%(前回調査の65%から7ポイント減)、「業務そのもの質的向上」が54%(同41%、13ポイント増)、「優良な協力会社・外注先の確保」の51%(同45%、6ポイント増)が上位を占めた。【表3参照】
前回との比較でみると、PR手法の開発やサービスの多様化が前回よりも減っているのに対して、質的向上や優良なアウトソーシング先の確保が増えており、業務の種類・量よりも質の向上をより重視していることがうかがえる。
また、「企業経営における重点課題」(複数回答)について聞くと、「売り上げの拡大」と答えた会社が67%と最も多かった。ただ、前回調査(77%)から10ポイント減った。
その一方で、「社員のモチベーションアップ」と答えた会社は、前回調査(57%)から8ポイント増えて65%、「即戦力の中途採用者の確保」は前回の33%から、じつに18ポイントも増えて51%となり、いずれも上位に入った。「働き方改革」も前回の45%から6ポイント増えて51%で続いた。
「売り上げの拡大」は重要な課題ではあるが、PR各社が社員のモチベーションや働き方、人材確保などの「人的資産の充実」を課題として重視していることがうかがえる。
ちなみに、「新卒者の確保」と答えた会社は19%と、順位こそ9位だったが、前年調査(4%)からは15ポイントと大きく増えていた。
経営者の後継者不足も頭の痛いところ。「経営者の後継者育成」を重点課題に取り上げた会社も増えており、前回調査の26%から6ポイント増えて32%となった。
なお、調査は日本パブリックリレーションズ協会の会員企業206社と非会員企業25社を合わせた231社を対象に、2023年3月に調査書を郵送して実施した。有効回収率は24.7%。
PR会社の平均従業員数は85.2人(前回調査は84.7人)。ただし、小規模会社が多いため中央値は20人。従業員の男女比は男性51:女性49。女性管理職の比率は平均36.7%。2023年春の予定採用人数は平均8.5人で、前回(3.9人)から倍以上増えた。