2022年度のPR業の売上高は、推計で約1479億円となり、前回調査(20年度)の約1111億円を大きく上回ったことが、日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ、東京都港区)の調査でわかった。2023年5月23日の発表。
前回調査から約368億円、33.1%の伸びで、コロナ禍によるダメージから回復し、PR市場が拡大傾向にあることを示した。
ちなみに、コロナ禍前の前々回調査(2019年実施)との比較では、14.7%の伸びだった。
広報・PR業務の上位に「動画制作」がランクイン
調査は、PR業とPR関連業のPRSJの会員(206社)と非会員社(25社)の合計231社を対象に聞き、57社(有効回収率24.7%)から回答が得た。
それによると、2022年度はPR会社の58%が、売り上げが増加傾向にあると回答した。前回調査(20年度、49%)に比べて明るい見通しとなった。
現在の景況感を聞くと、19%(前回11%)の会社が「よい」と回答。まだまだ低い水準とはいえ、コロナ禍後の回復の兆しがみえてきた。
今後の見通しは、「現在よりもよくなる」と答えた会社が47%で最多。「変わらない・横バイ」が32%、「現在より悪くなる」は7%で、景気の先行きについても楽観論が優勢になった。
また、広報・PRの取り扱い業務傾向について聞く(複数回答)と、「パブリシティ企画・実施」が79%、「(リアルでの)記者発表会/PRイベントの企画・運営」が74%、「マスコミ対応」72%、「リテナー(広報実務)でのPRコンサルティング業務」70%の項目が7割を超えた。【表1参照】
「モニター・クリッピング作業」(65%)や「(オンラインでの)記者発表会/PRイベントの企画・運営」(65%)、「オウンドメディアやソーシャルメディアの企画・運営」(63%)と、続く。
取り扱いの上位項目をみると、パブリシティ業務やマスコミ対応業務などが中心的業務となっていることに変わりはないが、前回は上位に入らなかった「動画の制作・プロモーション」(60%)が目立っている。