キヤノン株、4年7か月ぶり高値...株主還元で最大500億円「自社株買い」、成長事業への「積極投資」を歓迎

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世界シェア首位の事務機は市場縮小 事務機の収益力を生かし、成長分野に投資する戦略

   2022年12月期の全体の売上高に占める割合はプリンティングが55.9%、イメージングが19.9%、メディカルが12.7%、インダストリアルが8.0%となっており、圧倒的にプリンティングの存在感が大きい。

   ちなみに、全体の海外売上高比率は2022年12月期で76.4%に及ぶグローバル企業だ。

   キヤノンの事務機の世界シェアは、2022年に18%程度で首位。事務機のシェア上位にはリコーやコニカミノルタ、京セラなど日本メーカーがずらりと並び、日本勢の牙城ではある。

   だが、世界的なペーパーレス化の波が押し寄せていることもあって、長期的な趨勢としては市場が縮んでいる。

   こうした中、リコーと東芝が事務機生産部門の統合で合意する動きも起きている。

   そのため、事務機の収益力を生かして成長分野に投資するというのが、近年のキヤノンの戦略だ。

   キヤノンの足元の業績は堅調だ。

   4月26日に発表した2023年1~3月期連結決算は、オフィス向け複合機の供給不足からの回復が進んだことや、ミラーレスカメラの新製品が好調なことなどから増収増益。

   これを受けて決算発表に併せて2023年12月期連結決算の業績予想を売上高、各利益ともに上方修正した。

   キヤノンの株価はこの1~3月期決算と通期上方修正を受けて急伸した後、自社株買いでさらに一段高となったかたちだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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