液化水素サプライチェーン商用化実証が進む
そうしたなか、日本水素エネルギー株式会社(=JSE、2024年度から川崎重工業の持分法適用子会社となる予定/代表取締役の原田英一氏は、川崎重工業 常務執行役員・水素戦略本部長)は、クリーン・イノベーション基金を使って、「液化水素サプライチェーン商用化実証」、「水素液化向け大型高効率機器の開発」に取り組んでいる。
経産省の「エネルギー構造転換分野ワーキンググループ」(第14回)で使われた資料のうち、「JSE 2050年までの事業戦略・事業計画(1)」の中に、液化水素の運搬船に関する記載がある。
そこでは、2030年までの第1段階として、水素運搬船1隻(1タンク利用)を商用化実証。31年からの第2段階(商用化第1ステージ)には、実証場所の増設部分で水素タンク(4万立方メートル×4基)を2隻、商用化。
さらに33年からの第3段階(商用化第2ステージ)で、水素タンク(4万立方メートル×4基)を4隻規模で商用化し、2050年まで(商用化複数チェーンの部分)では、水素タンク(4万立方メートル×4基)を80隻規模で保有することを想定している。
ちなみに、クリーン・イノベーション基金は「経済と環境の好循環」を作っていく「グリーン成長戦略」に向けて、実行計画を策定している重要分野のうち、とくに政策効果が大きく社会実装までを見据えて長期間の取り組みが必要な領域で具体的な目標とその達成に向けた取り組みへのコミットメントを示す企業を対象に、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援していく事業をいう。